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パリ生活ゴ(25) 特別編 聞くに堪えないコトバ

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 25.  特別編  聞くに堪えないコトバ

<シーン 25 >
今回は特別企画と称し、独断と偏見に満ち満ちた、『聞くに堪えないコトバ』を展開させていただく。

1. ouais
ouaisは、はい(肯定)。家族や友人同士の会話などインフォ-マルな場で頻繁に使われる。日本語で言うと「ウン」と「アー」の中間か。口が半開きになって、だらしない感じが 許せない。
「ハイ!」と同様「Oui !」と口に緊張感を持たせて返事をしてはどうだ。

2. pas cher
pas cherは「安い」。ナゼ「高い」の否定形を使い、単に「安い」というコトバを使わないのか。絶対的に安いモノなぞ存在せず、タダでなきゃ「安い」というコトバに値しないとする庶民精神によるものか。
ちなみに、誰かが買ったモノの値段を聞くや、「pas cher」を乱発するのだが、いざ自分自身がその値で買うとなると「trop cher」と言うヤツがいる。自分の財布の紐は固いくせに他人の財布はどうでもええんかい。これは「bon marché」と言ってみてはどうですかね。

3. top de topとhôtel de luxe
top de topとhôtel de luxe。トップの中のトップ→最高、一番。後者はデラックス(豪華な)ホテル。トップクラス、デラックス、というコトバを使うこと自体、発想がしみったれている。
前者は「le(la) plus ~」と最上級の表現を使い、後者は「hôtel de 4 étoiles(ファイブスターホテル)」としてはいかがなものか。

4. pousse-toi
pousse-toiは、場所を空けて。自分がよけるのではなく、他人に動けと指示をする、その横柄な態度が気に入らない。
「Puis-je passer ?」なぞはどうでしょ。

5. trucとmachin
trucとmachin。忘れてしまったり、適当なコトバが見つからない時に言う、アレアレ。「machin」は人にも使う。「アレ、アレ」を連発する人に会うと「お前は健忘症か」と言いたくなる。人の名前を忘れておいて「あの人」というのも失礼じゃないか。
モノなら「chose」、ヒトなら単に「Monsieur」や「Madame」ではどうですかい。

6. putain は Oh, putain
putain は Oh, putain「(えっ!)」と軽い驚きで使われたり「Putain, merde」(畜生!)と最低最悪の時ののしりコトバとしても使う。
そして、この「Putain, merde」こそが私の『聞くに堪えないコトバ』ランキング第1位なのである。

仏語がパ-フェクトに話せない私ごときが庶民語を使うのは10年早いと、いつもはすまして教科書仏語を話しているが、怒り心頭、心がささくれ立っている時は心のタガが外れ、はしたなくも庶民語をポロリ(? オンパレード ?)とやってしまう。家族は、私の口からどのコトバが出てくるかで、怒りレベルを計っているようだ。

上記①~③のコトバなら、ダーリンが私の顔色を伺い、子供は「おかあはんがそんなコトバつこたらあかん」と叫ぶ。
④~⑤なら、ダーリンが飛んで来て私の機嫌を取り、子供は何も言わず不安そうに私を見つめる。
⑥が発せられるや、ダ-リンも息子も自分の部屋に避難する。
❤️では scène 26 でお会いしましょ❤️


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