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ヤマケンフォト!SUPER FORMULA Rd.4!


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不完全燃焼



その一言。


インタビューその他SNSで
発信される…

いや、

「絞り出す」と言うべき彼の言葉と
起こった現実にはその言葉しか
見当たらないという第4戦。


ファンの皆様はご存知の通り
「FP1」までは素晴らしい流れ、
よもや優勝の期待も高まるラップを刻んだ
とても良い流れだった。

ところが予選、
「本人もビックリ」な8番手に甘んじた。

ただ、マシンの手応えには
これまでにない信頼性と自信を感じ、
レースペースにも期待はある。
グリッドは8番手にあっても決勝で巻き返す
強い意志で望んだ日曜日だったのだが…


迷走を続けるSFの戦いの中で
ようやく掴みかけた兆し、
それもまだ現実か?幻か?
半信半疑の中で掴んでいた手応えだったが
まさに世にいう

”神が嘲笑うかのような”

通常では考えられない出来事と向き合う
試練の41LAPとなってしまう。




決勝のスタート、
まずここからして3号車には不運。

6番手グリッド、
つまり3号車の目の前に位置する15号車が
スタートアクシデントで発進せず。
それを避けるため後方集団が詰まり気味の中、
ターン1まででポジションを失ってしまう。

それでも冷静に接触は回避、
一度は隊列もなんとか整いポジションを
落としつつもこれから!
という所だったのだが…


なんと「LAP 3」まだ序盤、
これは本人にも許可を得て記載するものだが
3号車の”リヤスタビライザーが破損”する
アクシデント。

もはやペースを上げるどころの
次元の話ではなく、本題は

「いかにスピンせず走り切るか?」

に焦点が置かれた。
中盤に差し掛かる以前の段階で既に
3号車の「OTS」は限りなくタイムアウトに
迫るほど消耗していたのも皆様周知の通り、

彼はリヤのスタビライザーが欠損したマシンで
現状のポジションをなんとか保つため
OTSを最大限駆使して現実に抗っていたのだった、
ある種の「絶望感」を抱きながら。


この事は本人及びチーム談話からは
伏せられたもの。

繰り返すが本人に許諾を得て
ここに記載するものだが…
その事実を知って再びレース後の発信や
談話を眼にすると、悔しさが倍増する思い。
そして何よりも本人が最も悔しい思い、
無念の心境を噛み締めていたと思う。

それらを一切の言い訳にしなかった
彼の姿勢には

”より一層また彼を好きになった”


直接本人にも思わず言ってしまったほどだった。


今回の決勝の状況はまた別として、
一般的に「リヤスタビライザーが折れる」とは
どういうことか?

ここで毎度のことながら
当社長日記が誇る「最強の事情通」
話を聞くことが出来た。



●ロール量の増加、安定性の低下
率直にロールを抑えるための役割を持つもの、
リヤエンジンのSF23で特にリヤの破損は致命的。

●車両のアンダーステア化
リヤスタビの機能を失ったので、リヤグリップを
失う状況に。
前輪が曲がりたい方向に対して適度に進む
アンダーステア傾向が顕著と変化したマシンを
操っていた。

●トラクションの損失
リヤの剛性不足によりタイヤが地面を蹴る力、
いわゆるトラクションに大きなロスが発生して
加速力が低下。
またアクセル開度に対する挙動が過度に敏感な
SF23ではスピンの可能性が飛躍的に上がるため、
コーナー脱出時は常にその状況と折り合う必要が
生じていた。

●タイヤの不均等な摩耗
スタビライザーの役割を失うとコーナリング中の
特に外輪に想定外の不均等な負荷が加わることに、
それにより本来の感覚とはまるで異なる偏摩耗を
発生していく事となる。


大きく言うとこれらの要素を抱え、
つまりは「完走することを目指し」1LAPごとを
刻む走りに終始していた、というのが3号車を
めぐるRd.4の全容だ。

例えがあまり良くないのだが…

例えば最高峰「F1」、シートの確保が安泰な
いわゆるレジェンド級のドライバーであれば
即時に安全を優先し”インガレージ”していても
全く不思議ではない状況。

リヤのスタビライザーを失った状態で走る
というのはスピンを誘発する確率を飛躍的に上げ、
それが思わぬクラッシュへと繋がる可能性も
高いからだ。

これはあくまでも「たら、れば」だが
今回のレースが茂木、オートポリスのような
性格のサーキットならもしかしたら完走は
無かった(?)とも思える出来事。

LAP 3からLAP 41まで…
ドライバーに起因するものとは別の要素を
抱えながら混乱を起こさずに完走したことを
褒め称えたい。




しかし本人が「言うまい」とした事を
第三者の当日記が書くのはいかがなものか?
と悩んだものの、

先日の「富士テスト」から今回の「FP1」まで
3号車はまさに絶好調だった、
多くの山下健太ファンは「もしや…」の思いを
よぎらせていたに違いないと。

かくいう自分もその一人だったから…

なので今回のRd.4、彼は終始序盤からの
メカニカルトラブルを抱えていたという点を
皆様と共有したいと考えた。
無論その結果はこれが100%全てだったとは
言えないものだが…

だが、
「決して万全でなかったことは事実」
である事もまた本当だから。




そして結果は伴わなかったが、
彼の走りから「諦め」や「開き直り」の
ようなものは微塵も感じられなかったと思える。
訪れた環境を受け入れ、その時に出来うる
最大限の事をプロとして実行していたように思う。

これはこの先もまだまだ続くシーズンにおいて
多くのチームメイトに向けて繋がるものだとも
思う、マシンが抱えた状況を全員が理解しつつ
それでも最大限の挑み方で完走したことは
きっと無駄ではないと信じたい。

先程「例えばF1…」のような書き方もしたが、
これを「無理だ」と連呼してあっさりと
ピットへ帰還するような事でもあったのなら
それは多くの仲間の信頼感にも影を落としていた
と想像できる、しかし彼はそれをしなかった。

なぜなら、今シーズンの戦いを彼はまだ
全く諦めていないからに他ならないからだ、
彼が勝利を得るためには多くの仲間の協力が
必要でそれを充分理解しているから加速しない、
曲がらないマシンをねじ伏せて最後まで
走りきったのだろう。



そんな事で2024 SF Rd.4、
結果こそ今季ワーストではあったが
次は「茂木」にステージを移す、
次が正念場だ。

周囲は山下健太を「茂木が得意だ」と
評価するが、
実は彼自身は「茂木が得意だ」とは
過去に一度も口にしていない。

それはGTも含め、彼が過去に築き上げてきた
結果が素晴らしいからそう形容されるのだろう、
そんな彼からはこんな答えが帰ってきた


「次は得意なはず?の茂木なので頑張ります!」


という言葉。

この際、実際に自分がどう思っていようが
現実に築いてきた実績を信じて

”得意な茂木で”

との思いで挑んでもらいたい。


それともうひとつ、
不本意な結果に終わりながらも

「万全な状態の結果ではないので良かった」

という本音も吐露していた。

思っていたほど落ち込んでもいないし
落胆もしていない。

彼はそんなにやわじゃない(笑)




話は大きく逸れるが、
彼はもう10年来の「弊社のファン」で
いてくれる貴重な存在。

そんな彼から先日

「スポイラーデザインして下さい」

と言われてたじろいだ(苦笑)

どうしても新しくした愛車に
弊社のデザインした製品を付けたい、
と考えてくれたようだ。


ただ、
実は既にその「スポイラー」なる
製品の開発からは足を洗っていた事もあって
つい歯切れの悪い返事をしていた。

どうしたものか…と内心思いつつ
嬉しい気持ちもあった、
だが比較的大きな製品というのもあり
それこそ開発製造には「チーム」としての
多くの専門家の協力が不可欠だった。

それを半分解体していたために
歯切れの悪い返事…ということだったのだが、
今回のRd.4での出来事とその後の彼の言動に
改めて

”男として一層好きなった”

のは本当で、
ここで述べた通り。


”前言撤回”のような形でこれまでの
チーム、協力者に

「もう一度だけスポイラーを創る」

旨を打診し、
その理由も明らかにしたところ
皆2つ返事で喜びの顔を浮かべてくれた。


彼の「クルマヲタ」ぶりは
18歳の免許取得直後から一向に変わっていない、
こだわりぶりも相変わらず変態レベルだ(笑)

そんな彼のモチベーションやテンションが
ほんの少しでも上がるのなら…
との思いで僭越ながら腰を上げ、
久しぶりに画を描いてみた。

やるとなれば本気で。

彼に趣味の世界で「満面の笑み」を
浮かべてみせる覚悟だ。


待っていろ!ヤマケン!



…余談ですみません(笑)



●2024 SUPER FOMULA Rd.4 富士
 予選 8番手
 決勝 13番手

 シリーズポイント 21.5pt(5位)






END




●社長日記2.0「山下健太ダイジェスト」42本


●社長日記1.0「山下健太関連記事」92件










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