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闘牛大会観戦記
宇和島市民は子供の頃から丸山の山頂にある闘牛場を見て育ちます。
お隣りの津島町に行けば国道沿いを糞をしながら歩く闘牛をよくみかけたりもしました。
が私も含め、出身者の中で果たしてどれだけの人が闘牛大会に足を運んだのか、恐らく半数以下でしょう、いや全く後悔先に立たず。何故これをもっと早く見ていなかったのか!(虐待だ、可哀想と言う意見にはまた後述します)
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先ずは一頭ずつ牛主さんと共にお披露目紹介、デカイ!途中、割とガタイの良い方が少し小突かれただけで赤子のように転がされて、場内ドヨメク、牛と人の力の差を見せられる良いハプニング。
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相撲のように番付表もありますがいろんな意味での興奮度は人間以上(個人の感想です)
上手なリングアナの解説とBGM、そしていつの間にか場内沢山の人で熱気が上がり、開幕、取り組み。
ボクシングで言えばグラブを互いにチョンしてファイトですがその前に戦意喪失して逃げ出してしまうのもいて、見合った瞬間勝負が決まる→尻尾を巻いて逃げる→無駄死回避、生存本能が働く。戦わずして終わる取り組みが3回ほどあった。これは見方、人によると思いますが金払って損したと言う人もいるが逃げる迄のお互いの駆け引きの空気感も私は存分にたのしめた。
階級が上がる事に牛のデカさも大きくなり迫力が違ってくる、5分くらいツノを絡めての一進一退、片方が竹柵に押し出しで勝負あり、だけど牛はお構いなし、構わず押し込む。バキバキッ!柵の破壊音が場内に響く、ため息とも悲鳴とも取れる歓声に場内が一つになっていた事に気づく。
勝利した陣営は関係者が場に出てトロフィー授与と牛乗りして勝ち名乗り
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感じたのは家族と牛が一体と言う事、そして子供達がイキイキと大人のように動きます。手綱を操る男らしい親父(母も)の背中を見て育つ子供達、そして継承。そこに親子関係の理論や難しい教育なんて要らないのかも(昔みた、大草原の小さな家のローラのお父さんを思い出した)
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3mほどの古竹を大人達が修繕します。この竹柵は宇和島闘牛の特色だそうです。
さてこの日の一番の盛り上がりを見せたのは大関戦の沖縄出身の褐色の孫ジュンギと独眼竜エースの一戦でした、ジュンギ最初は逃げ腰、かたやエースは構え充分臨戦体制、あーまた試合放棄かと思われたが漸くがっぷりよつになる(頭部のね)。が柵まで押されるジュンギ、ここまでかとおそらく会場の皆んなが考えた瞬間!ジュンギが反撃のノロシ、そこから闘技場中央に押し返す、会場大盛りあがり!そこで少し膠着状態からのもうダメだと言わんばかりにエースが逃げてジュンギ起死回生の勝利。
気付いたら自分ちょっと涙腺ウルッときました。リングアナの解説で最初逃げ腰で様子見するのはジュンギの戦法らしく牛ながらにアッパレでした(人間にもそんなやついるね)
全ての取り組みが終わると恒例の触れ合い(おさわり?)タイムで牛主じゃ無いのに皆んな牛の背に乗せてもらってガッツポーズ。
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会場を後にして出会った常連のお爺さんとの話しで「一度やったら嫌がる牛もいる」の言葉に試合放棄する牛が思い起こされ、人間の余興(本意ではない戦い)に付き合わされている牛の事を思うと考えさせられもしました。
この牛たちは生後選別され10年前後闘牛として大事にトレーニングしながら育てられます。愛着がわかないようにしていますというある奥さんの記事もありましたが、私自身この1時間程の間に既に湧いてます、真剣勝負の牛達に何も感じない方が変だと思う。
通常、食肉牛が5年程の寿命、そして持論ですがペットを飼われている方はわかると思いますが飼われる側の短い生涯唯一の喜びや生き甲斐はどれだけ主人(人間)と心を通わせられたかだと思います。その2点でこの牛達は食べられる運命の牛達よりは(比べるものではそもそも無いですが)10〜15年の間幸せではないだろうかというのは人間側の勝手な解釈でしょうか。
事柄に意味付けするのは人間くらいなもんですからそれを権力とするか傲慢とするか分かれるところ。
どうでも良い事ですが当日来賓に仙台市長さんなどこられていましたが、あの熱気と非日常感。この闘牛というコンテンツ、宇和島市のいや愛媛県のウリになると思うけど。ならなくても日本らしさが日々失われている昨今、伝統行事を失いたくはない気はする。
牛さん達ありがとうー。
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