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仙台フィル×山形響の合同演奏会に行くよ【ラヴェル】

このたび久しぶり、クラシックの演奏会に行くことにした。事前勉強と脳内の整理を兼ねて楽曲のことを書き散らかしておく。
なお、クラシックを聴くのは音楽の授業以来だよ!という方にもできるだけ興味を持ってもらえるように努力はしてみた(つもり)。
Twitterから来られた皆さん、ありがとうございます。良かったら「ハートマーク」、押してってください。できるだけ面白おかしさ優先で書きましたので、興味を持っていただけると幸いです。


仙台フィル×山形響 

伺う演奏会はこちら。当地のオケ、仙台フィルとお隣、山形響の合同演奏会。「東北UNITED」とのことだ。そう、フットボール好きはウズウズして仕方ないネーミングである。
そして、なんといっても。プログラムが個人的にほぼど真ん中。素敵なオール・フランス・プログラム。しかもラヴェルにドビュッシーと来た。私の中ではメイン・ディッシュ2枚盛り、つまり「Fish AND Beef」である。
そして会場は仙台、定禅寺通りに面した東京エレクトロンホール。定禅寺通りは仙台の中でも大好きな通りだ。車道の真ん中にある歩道を歩くと、晴れていれば木漏れ日が優しく降り注ぐ。その様、全身で感じる、おお、今まさに仙台に来たな!漲る、感慨。
仙台に行ったなら、ポケモンセンター・トウホクと定禅寺通りは、毎回必ず行きたいと思っているスポットだ。
そして脳内は「広瀬川 流れる岸辺 想い出は還らず」が無限ループ。
天気が良ければもう、しめたもの。ご飯もお酒も美味しい仙台。大好きしか出てこない。
今から楽しみすぎて、熱でも出さないか。我ながら心配だ。

指揮者はパスカル・ヴェロ氏

フランス人の指揮者でワタシは初めてお耳にかかることになる。みんなご存知「SEKAI NO OZAWA」小澤征爾の薫陶を受けているとのこと。長年国内の県オケなどを振っていらっしゃる実績もあり、日本とも縁のたいへん深い方。
仙台フィルとは長年の関係を築いており、フランスプログラムもこれまで何度も披露されているようで、安定感を期待している。

個人的な目的は『ラ・ヴァルス』

恐らくこのプログラムだと、メインは『ボレロ』と考えるのが当然なのであろうが、個人的なクライマックスは『ラ・ヴァルス』と考えている。
どういうわけかこの『ラ・ヴァルス』が偏重的に好きで、ろくに音楽経験もないというのに、ポケットスコアまで手に入れているという偏愛ぶりである。

今日はこの、私の大好きな『ラ・ヴァルス』について、ワタシなりに皆さんにお伝えしていきたいと思っている。

【異端の意見】極個人的にはラヴェルはクラシックの入り口にオススメ【ほんとかよ】

絶対にいろんな人に怒られるし、こいつ何言ってやがる勉強して出直してこい、オマエは来るなら一昨日にしてくれ、って言われるに違いないのだが、ラヴェルは、クラシック初心者の入り口にオススメである(と思っている)。おすすめの理由は気が向いたら詳しく書きたいと思うが、一番の理由は「曲のプロットと、出てくる音楽が割とはっきりしている」というところだと思っている。
フランス音楽は好き嫌いがはっきり出るとは思っているが、ごく個人的な意見としては、ラヴェルはわりとわかりやすい部類ではないか?と感じているので、個人的にはお勧めしたいと考えている(…やっぱり、これがクラシックの入口誘導として適切なのかどうかは、知らん。ベートーヴェンとモーツァルトは小中の授業で聴いた気がするけど、ラヴェルは高校の授業で聴いたということからも、多分不適切でしょうね)。

まずは『ラ・ヴァルス』を聴いてみようよ!

どんな音源があるのかな~と調べていたら、まさに仙台フィル×ヴェロの音源がYouTubeにあるじゃないの。とにかく聴いてみる。最初の一歩はこれが大事だ。

『ラ・ヴァルス』ってどういう曲?をざっくばらんに言う

・「ワルツ」はそもそも優雅に踊るための音楽で、その「しきたり」の中で同じフレーズが何回か流れる(現代ポップス音楽もそうだよね)
・その「しきたり」に沿ってこれから「ワルツ」を表現したいと思っているのだが、なぜかしら、なんだかうまくできず、止まったりやり直したりしているが、今日のワタシ、なんだかやっぱりうまく行かない
・あんまりうまくいかないのでヒステリックな気分にも時折。どうしてもどうしても上手に表現できず荒ぶる
・最後にはさんざんのたうち回り、突然エンストするように終了
・そののたうちを表現するところまでコミコミで含めて、このたびの作品でした

という感じで、非常にはっきりとストーリーがあり明快であるので、その辺をイメージしながらお聴きいただきたい。
前出のポケットスコアの解説によれば、この曲はフランス人であるラヴェルによる、音楽の都ウィーンで大流行していたワルツに対しての賛歌である。また、「踊るためのワルツ」として依頼を受けて作曲された、とある。
「ワルツって、ものすごく流行ったよね!私も踊るためのワルツ、作ってみた」。出て来た成果物がこの曲である。
この曲で整然と踊り続けることなどできようか。「賛歌」がコレなのか。発注者は怒り、このことでラヴェルと疎遠になったそうだ。このあたりのエピソードに、ラヴェルという人物がどういう人間だったのであろう、ということを想像させる含蓄が大いにあるわけなのだが、その考察は詳しくやればやるほど長くなるので、この辺にしておく。

クラシックは『聴き比べ』を楽しむ

ときに、クラシック音楽の醍醐味は聴き比べにあると思っている。
指揮者やオーケストラでその細かいところが結構違ってくるので、そこの違いを見つけて噛み締めてフムフムニヤリするのが、クラシック音楽の醍醐味である…と私は思っている。
しからば、この『ラ・ヴァルス』においてのわかりやすい聴き比べポイントは最終パート(上のYoutubeで言うと11:30~)のワルツがぶっ壊れた後のところではなかろうか。紹介したYoutubeは、割と破綻がそこそこに収めた形になっていると感じた。もっとわかりやすく三拍子がぶっ壊れているような演奏もあったりする。
そのあたりを自分なりに発見してニヤニヤするのが、クラシック音楽というものである(と思っていて、サッカーにも通じるものがあると勝手に思っている。つまりマニアックに観ようと思えばいくらでも観ることができる、という点においてフットボールと同質であると考えている。あと、聴き比べてニヤリとするあたりは落語にも似てますね)。

クラシックの聴き比べを始めると、音へのこだわりというものも芽生えてくる。そうするとYouTubeの音質はそもそもイマイチだ、やっぱハイレゾでないとダメだよねとか、ヘッドホンはアレが良い、ゼンハイザーだよね、とか、スピーカーもこだわりたい、バウアーズアンドウィルキンスがいいよね、だとか、これもこれでキリの無い話になっていき、その気になればいくらでも、いくらでもである。今日はこの程度にしておこう。
仙台は長男が住んでいるというのに、妻を置いてひとりで出かける。私は7月22日を、ラヴェルと牛タンとビールと日本酒が私を待っているその日を。まさに初鰹、大いに楽しみにしている。

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