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1973年のウェスト・ブロンクス ヒップホップ誕生の夜

1973年の夏、ウェスト・ブロンクスの一角で開かれたパーティーは、ヒップホップ文化の誕生を告げる歴史的な夜として語り継がれています。この伝説的なパーティーは、DJ Kool Herc(クール・ハーク)の名前を世に知らしめるきっかけとなりました。

クール・ハークの背景と家族の影響
クール・ハークことクライヴ・キャンベルは、1955年にジャマイカのキングストンで生まれました。その幼少期はジャマイカのサウンドシステム文化と深く結びついていました。キングストンでは特にトレンチタウンとフランクリンタウンの地域が、彼の音楽的な感性を育んだ場所でした。

ジャマイカのサウンドシステム文化は、巨大なスピーカーシステムを用いて音楽を再生する独特のスタイルで、地元のパーティーやダンスホールで盛んに行われていました。この文化は1950年代から60年代にかけて、スカやロックステディ、そしてレゲエといった音楽ジャンルの発展と共に成長しました。特にスカはジャマイカの音楽シーンを象徴するもので、スカのテンポが速く、アップビートなリズムは多くの聴衆を魅了しました。その後、ロックステディやレゲエが続き、これらのジャンルがサウンドシステムの重要な要素となりました。

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