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女性ミステリ作家のデータを探すのは大変問題

「今まで全く眼中になかった種類の本を大量に読む」イベントが起こることがあります。前は仕事で関わった某ゲームのために著作権切れの日本文学を、今回は『少女トラベルミステリ』のために昭和期のヒットした女性ミステリ作家の本を。お亡くなりになったばかりの平岩弓枝先生の本も、ニュースが流れてくる前日に調べて本を探し、ニュースの当日に何冊か本を買いました。

山村美紗先生についてはもう少し前に何冊か入手していたけど、夏樹静子先生、平岩弓枝先生については本当に手を出したばかり。一冊だけ読んでいた山村美紗先生以外、どの先生も逝去後に読み始めました。山村先生のその一冊についても、作者を個別認識していなかったというか葬式好きなので『赤い霊柩車』というタイトルに惹かれて読んだパターンです。

ただ、女性向けの作品については前にウィキペディアについて当時の担当編集さんが「ウィキペディアの記事の投稿をしている多くは男性なので、女性向けジャンルについては投稿者が少なく、人気がある作家でもウィキペディアの記事が充実しない」という問題について聞いたのを今頃痛感させられています。

オタクジャンルだと女性が執筆している記事もそれなりにあるんですが、非オタジャンルとなると本当にまーったくと言っていいほどデータ、設定その他をまとめたものがなくなってきます。その意味で長く続いている『西村京太郎研究会』のサイトにある『山村美紗研究室』がある山村先生は圧倒的に記事が探しやすくて助かっていました。あれで難易度を大幅に見誤ってしまったせいか、夏樹先生、平岩先生のまとまったデータを載せているサイト、本などが基本ないというのに愕然としています。

両先生の本は未読だったので、とりあえず夏樹先生は交通ミステリの短編集『77便に何が起きたか』と、二時間ドラマになった弁護士 朝吹里矢子シリーズ『星の証言』を読了、検事 霞夕子シリーズ『螺旋階段をおりる男』を読み始めました。平岩先生は数冊あるミステリ作品のうち入手した『花ホテル』を読み始めていて、『黒い扇』『火の航跡』『湖水祭』を注文しました。

現時点では夏樹先生は『77便に何が起きたか』は表題作はトラベルミステリの範疇に入っててもおかしくないなという感覚ですが、『星の証言』『螺旋階段をおりる男』はそういう要素はありませんでした。平岩先生の『花ホテル』は海外を舞台にしていても、トラベル要素はないようです。
ただ、どちらも女性作家、女性主人公のミステリの人気作で、どちらも面白かったです。

いろいろ調べていると楽しい半面「ここからデータまとめるのか……えぐいな」と溜息が出そうな気分になりますが、『少女トラベルミステリ』の調査、頑張ります。

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