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ユーザーとしての電子書籍への不満

ワタシは電子書籍ユーザーです。割とがっつり電書派です。個人制作でも電書をリリースしていますし、自分でもたくさん買っています。
でもそんなワタシにも電書に関する不満は結構あります。今回はユーザーとしての電書関連の不満についての記事です。

電子書籍にはいろいろ「できないこと」があります。もちろん紙本にだって「できないこと」はてんこ盛りにあります。それについては一長一短です。
ただし個人的には「雑に作られた紙本<<雑に作られた電書<<越えられない壁<<<普通に作った電書(すごくよくできた電書も含む)<<<すごくよくできた紙本」という体感です。

電書が不便なものだと思ってる方も便利に思ってる方もいると思います。検証のために個人的にはこれが不満と思っていることを並べてみます。


目次が低機能なものが多い

紙本の目次を見たことがない人は多分いないと思いますが、電書については目次がめちゃくちゃ不便なものがままあります。
電子書籍には論理目次とHTML目次というものがあります。HTML目次は大抵前の方にあるその章へのハイパーリンク(noteの目次みたいなもの)です。論理目次はハンバーガーボタン(もしくは目次を呼び出すボタン)をタップ、クリックしたりするといつでも呼び出せる目次です。

紙本ならばHTML目次に該当する冒頭の目次だけですが、ちゃんと作られた電書は論理目次という便利なものがあるので大変使いやすいのです。
ただし、残念ながら目次が「そう作られていない」電書は結構多いのです。詳細は下の記事をご覧いただけますと解りますが、目次をちゃんと使いたい人にとっては地獄のような本がままあります。

大体地獄絵図っぽい例を上の記事で取り上げていますが、ここがまともに作られているかいないかで全く使い勝手が違います。

ちゃんと搭載されていれば素晴らしい機能なんですが、これがまともに搭載されていない場合、使い勝手は地に落ちます。

複数の会社のライブラリを管理するのが面倒

ワタシは自分が個人電書をリリースしていて、PCでメイン作業をしているので、Kindle、kobo、BOOK☆WALKERを主に使用しています。
ですが、この複数の会社のライブラリをちゃんと管理できているかといえば怪しいです。以前間違ってKindleで買っていた本をkoboで買ってしまったなどがあり、大変往生しました。
量が少ない時にはまだいいんですが、増えてくると「えー、どこで買ったっけか……」とかなり悩みます。管理が不便です。

BOOK☆WALKERはPCアプリがないので特にリフロー本は基本買いません。よほど読みたいものが専売だった時のみ買う感じです。

ショップ購入の本を一通り読める汎用電書リーダーがない

これは上の項目とも関わってきますが、汎用電子書籍リーダーがあれば「どこのオンライン書店で買ってもいい。何なら出版社の公式サイトで買ってもいい」訳です。もしあればどこでも買えます。

会社がつぶれたら権利ごと消える

……それはそのままです。いずれどこかがつぶれた時に続報書くと思います。ごめんなさい。

小説の新刊情報を知りやすいインフラがない

漫画はもう電書の方が紙本より売れる時代ですし、期間限定無料試し読み、ブラウザ限定無料試し読み、旧作などの1巻~3巻あたりの一時的な0円購入可能時期の設定など、かなり新規で手に取りやすい状態を作れています。漫画はかなりいけるようになってきました。
ただし、小説は本当にそこから置いていかれています。新しく面白いものを知るためのインフラがかなり少ないのです。

本屋が激減したこの時代に「小説だけは紙本チェックしないと……」という人の環境から本屋がなくなった時、彼らは新刊情報、面白い本の情報を知る機会が漫画より圧倒的に少ないです。

多分、後追いの人はメディアミックスを見て本を買うんですが、それより前に知れる機会はとても少ないです。WEBにも情報収集しやすいサイトができてほしいと切実に思っています。(心のなかでコミックナタリーを見るたびに、何で小説ナタリーがないんやと溜息をついています)

ここもインフラ問題だと思います。

電書のギフト機能が使える店が少ない

ワタシが主に使っているKindle、kobo、BOOK☆WALKERのうち、ギフト機能が使えるのはBOOK☆WALKERのみです。Kindleはアメリカではギフト機能が使えますが、日本ではできません。steamなどのゲーム販売サイトでもギフト機能はありますし、ぜひギフト機能は各サービスで用意してもらいたいです。
(作家さんに紙本のサンプルはあっても電書は送れないので、電書専売の本の場合には作家さんはサンプルをもらえません。そこもよろしくないなと個人的には思っています)

Unicodeにない字は電書に対応しづらい

例えば万葉集などを全部デジタルにしてくれといったら、実際には無理です。ない字が結構あるはずです。特殊な字を大量に出そうと思うと画像データでやるしかありません。紙本の場合は作字したりしてもそこまで不便はありません。ここは大きいです。

数式はコピペできない

数式の出てくる本は結構画像の本が多いです。検索できてなんぼみたいなリフロー本に多くの数式は持ってこられません。不便ですが現時点では電書に限らずテキストデータ全般がそうなので諦めるしかありません。いずれコピペに関する技術も進化してコピペできるようになるのかもしれません。


あれこれと電書の作成者側の問題、インフラの問題、そことは関係ない問題など並べましたが、案外不便なところはあります。それでも可能な限り使っていきたいし、もっと便利になったらいいと思います。

とりあえずワタシがリッチマンになった時に、まだ販売されている小説の情報サイトがないようだったら自作したいと思います。

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