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岡田有希子さんのAIボイス

ごく最近になって、岡田有希子さんの写真をインスタグラムにアップしている人たちが少なからずいることを知った。

画像引用元:いろは(iroha__55)

大学生のころ、私も有希子さんのファンだった。
シングル盤(レコード)やアルバム(カセットテープ)を持っていたし、握手会でその柔らかい手に触れさせていただいたこともある。

人気の絶頂期での自殺に、多くのファンと同様に私も大きなショックを受けた。
彼女が飛び降りた現場の写真が載っているという週刊誌は、とても買うことはできなかった。

その出来事を思い出すと辛くなるという理由で、だんだんに彼女の歌を聞かなくなっていった。
今では1枚の写真すら手元に残っていない。

インスタグラムで有希子さんの膨大な量の写真を見たとき、この人たちの熱意にはかなわないなと思った。
ファンの人たちそれぞれに人生がある。結婚して子供がいる人も多いだろう。
それでも、彼らの心の中には今でもこんなにも広い「有希子さんのためのスペース」があって、その中で彼女が生き続けているのだ。
私の中のそのスペースは、とてつもなく小さくなってしまっていた。

何十年も経った今では、私も彼女の歌を懐かしく聴くことができるようになった。
そしてインスタグラムの写真をきっかけにYouTubeで『リトル プリンセス』を聴いているときに、AIを使って有希子さんの歌声を再現している配信者「yukko forever」さんを見つけた。
以下の動画では、竹内まりやさんが中山美穂さんに提供した曲『色・ホワイトブレンド』有希子さん(のAIボイス)が歌っている。

インスタグラムで大量の写真を見たとき以上に、たまらない気持ちになった。

AI技術のこういった活用方法には賛否があると思うが、私は純粋に感動した。
声質だけでなく、「White Spring」「White Lips」等が連続する部分の小気味よい切れ味、「I’m In Love With You」の英語の発音音の伸ばし方など、歌い方までもがこんなにリアルに再現されていることに驚いた。
昔の曲を聴いたときとは明らかに違う感情が芽生え、気がついたら涙があふれていた
まさに彼女が蘇ったかような錯覚を覚える。

有希子さんの写真を1枚だけでも、捨てずに手元に残しておくべきだったと後悔している。
ネットで拾った画像ではその代用にはならない。

タイトル画像引用元:有希子のポスターコーナー

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