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自発的に英語をやりたくなるワークショップ #ちょっとGraffity

Graffityのデザイナー、でなりです!

英語です!!!!
スタートアップ界隈や、それに限らず組織内でみんなに英語学習をしてもらい、ゆくゆくはグローバル組織に…と考える会社さんは多いのではないでしょうか?

僕らの会社、Graffityでもそれは同じでした。
まだまだ小さい会社で、自称スタートアップなGraffityですが、将来的に世界規模の企業にしていきたいなか、必ず僕らもどこかのタイミングでこの英語の壁を「組織として」乗りきらねばなりません。

実際僕らも、海外人材の採用を行ったり英語学習についての制度づくりを打ち手として打っていますが、最も大事なのはその課題意識に人がついてくるかだと常々感じています。

そこで先日Graffityで、英語の課題感を「持ってもらう」ためのワークショップを実施しました。これが体感としてかなり効果があったのでそれを紹介したいと思います。

【謝辞】
今回のワークショップは言語コンサルタントであり、普段からぼくらと共に英語学習の導入について考えていただいている渡辺 晃平さんに多くのアドバイスをいただいて実現したものです。渡辺さん本当にありがとうございます!

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渡辺さんのプロフィールについて ... twitter.com/kofeilang

問題意識を「持ってもらう」ところから始める

前述の通り、英語学習への仕組みをどれだけ整えたところで、やはり人がついてくるかがキモです。つまり、「英語を学んでほしいメンバー自身が」「自発的に」英語をやりたくなることこそ、あらゆる組織・チームでの英語導入の一番のカギになると思っています。

とは言っても…

① どれだけ仕組みを整えたところで、やはり英語学習の途方もなさや日本人あるあるの「英語への精神的なカベ」がどうしても邪魔するかと思います。

② また、逆に「組織としてこうしたいから英語が必要なんだ!」と投げやりにチームへ問いかけても「あぁ、そうだね」と受け流されてしまい、結局は後手に回ってしまって英語を始める一歩を踏み出せないでしょう。

つまり、英語をみんなで取り組むためにカギになるのは
① まずは自発的な動機、課題感をうまく作ってあげて
② 途方もない努力の「実現可能な一歩目」を各自で明文化し
③ 実際にそれに対して各自で歩き始めてもらう

の三点になるかと思っています。

このことからぼくは、今回のワークショップのテーマを「気持ち先攻の英語学習」と設定し、アジェンダを組み立てることにしました。

アジェンダ1、プレゼンテーション編

ワークショップを実施するにあたり、一番最初のアジェンダをぼくはプレゼンを行うこととしました。どうしてこのワークショップをやるのかを伝え、みんなに「課題感の共有と共感」をしてもらおうと考えました。

1-1、なぜ英語をやらねばならないのかを明確に共有する

なにはともあれ、まずは「Why」から入るべきかと思います。

ここはチームによって「なぜ英語をやるのか」は違ってくるかと思いますが、しっかりと伝えるようにします。

僕らの場合は下記のようにメンバーに伝えました。
・明確にぼくらは世界を目指していると一番最初に伝える
・そのためにはまず「海外人材率を高めなければならない」と伝える
・実際に僕らの採用計画と照らし合わせ、「正直余裕があまりない」と伝える

ここで大事なのは「メンバーにとってネガティブに見える情報をいかに柔らかく伝えるか」です。そして同時に最もやってはいけないのは「ネガティブな情報を隠すこと」です。

ここではまずファクトを隠さないよう、またこちらの意図を隠さないようにするべきです。「メンバーに自発的に」と聞くと「メンバーと同じ目線を」と考えがちですが、あえてここはマネージャーの目線を持ち、全力で思うところを伝えきりましょう

きっとこの記事を深く読んでいる方は「組織をグローバル化しないといけない」と課題感をチームでも人一倍持っている方のはず(と信じますw)なので、ここは遠慮せずしっかりと想いを伝えきるにはどうすればいいかにフォーカスします。

1-2、「いや、でも英語学習って大変じゃね」を伝える

さっきとは真逆、今度はメンバー目線に立ちましょう。

どれだけぼくが英語に意識が向いていると言っても大変なものは大変です。英語に対して今の課題意識を持つまでには「めんどくさいなあ」と思った経験も当然ありますし、意識を持ち継続する大変さをすごく痛感しています。

特にぼくの場合はネイティブと会話しても頻繁に伝わらなかったり、正直まだ「なんか大変そうだね!」とフォローしまくってもらう立場でもあり、TOEICもさほど高くない点数だったりもするので、ここを大事にはしました。

ここで大事になるのは「みんなの気持ちはわかってる、ぼくがそうだった」と目線を合わせることです。

1-1、1-2をふまえ、どんなプレゼンを行ったか

ここはぼくの普段のコミュニケーションスタイルもあるので、他の方の参考になるかは不明ですが、書いておきたいと思います。

ぼくはこの「課題感」と「共感」を交互に伝えることにしました。具体的には下記の内容でプレゼンを行いました。

・【1−2】まずはアイドリングトーク、資料に行く前に「英語大変すね…」と一言漏らし、聴衆との会話を挟むこと、一度目線をメンバーと合わせるようにしました。雑談から入るとこの後のプレゼンも「聞く立場感」が薄れます。
・【1−1】プレゼン資料に突入したタイミングでスイッチを切り替え。「ぼくらは組織として世界を目指したいです!」「それぐらい大きな夢を追いかけてきました」と目標を話します。ここはいわゆる「エモトーク」なので、ぼくはCEOのトシさんをスライド内で登場させ、「彼もこう言ってるのよ!」と人の力を借りてアツい想いを持っているイメージを作りました。
・【1−1】組織の採用計画を紹介します。具体的にどのタイミングで海外人材が入ってくるかを、計画ベースで正しく伝えます。
・【1−2】ここで障壁になるのが…「英語(ドンッ!)」と、少しコメディ調に、みんなの頭の中にある単語を代弁します。各々課題感を持っていますが、それをくすぐるように「いやいや、そうは言っても大変ですよ…」と伝え、自分も同じような課題感を持っている事を伝えます。
・【1−1】「でもぼくはね…」と切り出し、今度はぼくの言葉で「この会社をグローバル化したいんだ」と伝えます。
・【1−1】そして同時に、会社が行なっている施策をもう一度確認します。「ぼくらはもうこんな事をやっている、組織としてはグローバル化を目指すためにやる事をやり始めてるよ!」と強調します。後々これが役に立ちます。
・【1−1×1−2】ぼくの場合ここで押し付けがましくならないよう、改めてこのワークショップのコンセプトを伝えます。「気持ち先攻の英語学習」を、みんなで作ろう、ぼくらならできるよ!と伝えました。

そしてこの最後にやったのが、「コール&レスポンス式のスライドを挟む」でした。

英語学習で陥りがちな課題感をいくつも書いたスライドを作り、一つ一つぼくが読み上げます。それに対して共感したメンバーに「わかる〜!」と発言してもらいます

これには「ぼく自身がこの課題感を持つ人だと紹介し目線を合わせる」「他の人だって同じ課題感を持っているんだと知覚してもらう」「自分の課題感が何である考えてもらう」の三つの効果があるかと思うのでおすすめです。

この手の形式のスライドで必要なのは、「わかる〜!」をふざけて言える空気づくりです。ぼくはここでもトシさんの力を借り、トシさんが持っているであろう課題感を一番最初に例にあげ、彼に一番最初に「わかる〜!」を言ってもらう事で空気づくりを行いました。
柔らかい空気づくりのできているGraffiyのチームの性質もあってか、今回はうまくみんながレスポンスをくれて、成功だったと言えると思います。

僕の場合は上記のように、「(マネージャーじゃないのに)マネージャー目線」と「1メンバー目線」を交互に織り込み、付かず離れずのプレゼン設計をする事でうまく課題感をみんなに持ってもらいました。

アジェンダ2、個人ワーク編

上記のプレゼンで課題感は持てたかなと思います。しかしそんな事ではチームメンバーの「英語めんどくさい」はなくなりません(暴論)。

もちろん僕たちには「英語学習の量自体を減らす」といった魔法のような力はありません。だったら誰も苦労してない…。ではどうするか。

ここは渡辺さんに最も意見をいただいたところですが、下の画像の通りのワークシートを準備し、各自それを記入する事で自分の思う課題感を、ざっくりしたところから「今起きている事」へと徐々にフォーカス領域を縮めながら確認し、その上で今最初の一歩でやるべき事を明確化しました。

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渡辺さんがここで大事だとおっしゃっていたのは「各自に“課題感“と“次にやるべき事“を言語化してもらう、口にしてもらう」です。

頭ごなしに「あなたはここが課題だからこうしたほうがいいよ」だと、もちろん自発性は失われます。ここまでで気持ちをしっかりと準備したので、ここでは「具体的なアクションとなぜそれを行うか」を自分の中で腑に落ちるように心がけます。

この個人ワークの後、記入した内容を自ら口にしてもらうのがベストです。時間の都合上僕らのワークショップでは、何人かピックアップしてそれを発表してもらう形式となりましたが、全員に口にしてもらうのが理想です。

アジェンダ3、グループトーク編

ワークシートを書き、試行整理もできたところで、もう一度最後モチベーションに目を向けます。

メンバーを3人1組ほどに分けてグループを作り、それぞれの記入内容をもとに会話をしてもらいます。僕がアナウンスしたのは下記です。

・話す人は書いてある内容を人に相談するように話す
・聞く人はまず、共感してあげて、「それわかる!」とその共感を伝えてもらう
・その上で、自分だったらこういう勉強するかも!と、その人のコーチになった気分でアドバイスをあげる

このように実際にグループに分けて話す事で下記の効果があったと思っています。

・自分の口で改めて課題感を説明する事で、あらためて再確認できる
・他の人と壁打ちを行う事で、自分の課題やネクストアクションが洗練される
・他の人も同様に課題を持っている事を知り、チーム感、一人じゃない感覚を持ってもらえる

ここでようやく「組織に対して英語学習を導入するには?」のキモが出てきます。大切なのは、「一人の個人として課題感を持つ事」でも「プレゼンターである僕と目線を合わせる」でもなくて、「チームで一体になって、英語に課題意識を持っている、自分はそのチームのメンバーとして、一緒に課題解決をしていける」という人の和を活かした雰囲気づくりだと思います。

僕はこの時、勇気をもってファシリテートを捨てました。僕はみんなと同じ1メンバーでありたいと望んだためです。具体的には、ファシリテーターをやめて、みんなの話すグループの1メンバーとして会話に混ざりました。
この時は、海外留学経験のあるしょーたさん(「行くぜ、AR」さん)にバトンタッチをし、彼が具体的な英語学習メソッドの提供に徹してもらう、逆に僕はみんなと改めて目線を合わせることにしました。ありがとうしょーたさん!!!!

以上、僕が実際に行ったワークショップとそれぞれのキーポイントでした。

その後、英語学習はできたのか? → できました!

(ここの部分は、むしろCEOのトシさん、そして言語コンサルタントの渡辺さんの働きが強かった事を最初に明文化しておきます!)

以前に記事で紹介させていただいた通りでもあるのですが、Graffityは組織として英語を推進すべく様々な仕組みを整えています。

ただ、これに加えて実施した新しい施策がかなりワークしたなと思っています。

それが、毎朝10分を目処にメンバー同士で英会話を行うというものです。

やはり今回のワークショップを通じてわかった事でもあるのですが、「英語を使う機会がそもそもたりてない」というのが大きな課題でした。それに対して、必ずメンバーがフランクに英語を使い始める仕組み作りというのは非常にききました。

それまでも英会話をする機会は週一回設けていましたが、ワークショップによりモチベーションが一度上がり、その後にこの施策を導入したので「やらされている感」みたいなものは以前よりもなく、メンバーにヒアリングしても「今が一番モチベが高い」「楽しい」「英語を勉強しなきゃと思えている」と好評です。

まとめ

今回の記事では僕たちが実際に行ったワークショップを紹介することで、英語学習に「自発的な」モチベーションを持ってもらうための工夫を紹介しました。

英語学習は途方もなく長い道のりで、僕も御多分に漏れずその道の途中にいると感じています。

① まずは自発的な動機、課題感をうまく作ってあげて
② 途方もない努力の「実現可能な一歩目」を各自で明文化し
③ 実際にそれに対して各自で歩き始めてもらう

この三つのカギこそ、Graffityを、そして皆さんの組織を英語へと立ち向かわせてくれると信じています。

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