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【院試解答】東大院 工学系 数学 2019年度 第6問【ベルヌーイ試行】

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東京大学大学院 工学系研究科の入試過去問の解答例です.2019(平成31)年度の数学(一般教育科目)第6問について解答・解説します.問題は研究科のWebサイトから見ることができます.

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本記事に掲載されている解答および解説は、私が独自に作成したものであり、大学公式の模範解答ではありません。内容の正確性には細心の注意を払っておりますが、誤りや不備がある可能性もございます。本記事の使用により生じたいかなる損害についても、私は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
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I.1

解答

$${X_k}$$の期待値は

$$
\begin{aligned}
E[X_k]
&=p\cdot 1+(1-p)\cdot 0\\
&=p
\end{aligned}
$$

であり,分散は

$$
\begin{aligned}
V[X_k]
&=E[X_k^2]-\left\{E[X_k]\right\}^2\\
&=\left[p\cdot 1^2+(1-p)\cdot 0^2\right]-p^2\\
&=p(1-p)
\end{aligned}
$$

である.よって,$${X_1,X_2,\dots,X_n}$$の総和の期待値は

$$
\begin{aligned}
E[X_1+X_2+\dots+X_n]
&=E[X_1]+E[X_2]+\dots+E[X_n]\\
&=nE[X_k]
\end{aligned}
$$

$$
\therefore E[X_1+X_2+\dots+X_n]=np\tag{答}
$$

である.$${X_1,X_2,\dots,X_n}$$は独立なので,総和の分散は

$$
\begin{aligned}
V[X_1+X_2+\dots+X_n]
&=V[X_1]+V[X_2]+\dots+V[X_n]\\
&=nV[X_k]
\end{aligned}
$$

$$
V[X_1+X_2+\dots+X_n]=np(1-p)\tag{答}
$$

である.

解説

$${X_k}$$はベルヌーイ試行を表しています.ベルヌーイ試行の和が従う二項分布の期待値と分散を求める問題です.

一般に,確率変数$${X,Y}$$に対してそれらの和の分散は

$$
\therefore V[X+Y]=V[X]+V[Y]+2\mathrm{Cov}[X,Y]
$$

となり,共分散の項が含まれます.$${X,Y}$$が無相関であれば$${\mathrm{Cov}[X,Y]=0}$$なので,確率変数の和の分散は分散の和となります.なお,$${X,Y}$$が独立$${P(X=x,Y=y)=P(X=x)P(Y=y)}$$ならば無相関となります.

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