メトロ・フィリピン視察ツアーに参加して

メトロ・フィリピン視察ツアーに参加して


堀井卓

「参加できてよかった!」

日本に戻り、妻と何度も今回のツアーについて話しています。サンデースクールに参加している子どもたちの輝いている目、メトロのスタッフが命がけで子どもたちをサポートしている姿、超多忙な中私たちのガイドをしてくださった万代先生を始め日本のメトロオフィスの献身的な働きなど…

サンデースクール

ビル先生の証、ビデオや沢山の報告を通して、メトロのサンデースクールの様子は何となく知っていました。しかし、実際にその場に参加して一番に感動したのは、子どもたちが喜んでサンデースクールに参加していることでした。
サンデースクールが始まる前に、スタッフとスラムや墓地に住んでいる子どもたちを呼びに行く時でした。沢山の子どもたちがスタッフに駆け寄り、ハグしに来ます。そればかりでなく、大人たちもスタッフの顔を見るとみな、安心した様子で世間話が始まります。スタッフのハンナさんに聞くと、サンデースクールの日だけでなく、家庭訪問して関係をしっかり築いていることが分かりました。そこは、私たち日本人が想像もできないような貧困地区での生活でしたが、スタッフは彼らと共に喜び悲しんでいる、だからみなメトロを信頼し大好きなのだと。
サンデースクールは様々な工夫かされていて、小さな子どもたちが1時間以上集中している姿には驚きでした。楽しい賛美や祈り、クイズやゲーム、そして聖書の話も紙芝居やスキットなどでしっかり構成され、それを見る子どもたちの真剣な眼差しに感動しました。それは、スタッフ一人一人が何よりもイエス様の愛を子どもたちに届けるという大きな使命感に満ちているからだと感じました。

ポーリーンちゃん訪問

二日目の朝、スタッフのハンナさんとポーリーンちゃんの家を訪問させていただきました。そこはスモーキーマウンテンの横に建てられたアパートでした。狭く暗く汚いアパートに信じられないほど沢山の人が暮らしています。4階まで上るとそこには可愛い笑顔のポーリーンちゃんが私たちを迎えてくれました。あまりに嬉しくて、それまで覚えていたタガログ語の挨拶を忘れてしまいましたが・・・その後、ポーリーンちゃんの住んでいるところを案内してもらい、そこでの暮らしも垣間見ることができました。ファーストフードに行ったり、スーパーでショッピングしたりと、あっという間の夢のような時間でした。私たちの小さなサポートですが、喜んで受け取ってもらえているのだと本当に感謝の時でした。それと同時に、メトロのスタッフ、日本オフィスでの働きがなければ決して会うことができなかったポーリーンちゃんに出会うことができたことに私たち夫婦は心から感謝の気持ちでいっぱいです。
何よりも嬉しかったことは、次の日、ポーリーンちゃんがメトロのジュニアスタッフとして、サンデースクールに参加している姿を見ることができたことです。ポーリーンちゃんが妻の姿を見ると駆け寄ってきて笑顔でハグをしてくれたこと、妻への神様からの最高のプレゼントでした。

メトロの働き

初日、フィリピン人スタッフから、ビル先生が一人の人に助けられたのがメトロの働きのスタートだと改めて聞くことができました。今回、スラム街や墓地、そしてスモーキーマウンテンで暮らしている沢山の人たちと出会い、そこでの生活を見るとき途方に暮れるような感覚になりました。しかし、メトロの働きの原動力は、小さな子どもたちのために命がけで働いているスタッフ、その働きを支えている日本のメトロオフィス、そして何よりも主がこの働きを喜んでくださっていることだと思います。
万代先生が移動中のジプニーの中で話してくださいました。「メトロの働きは、慈善事業や人道支援が目的でなく、福音を伝えることです。」

「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ16:15)
「最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。」(マタイ25:40)

堀井ユリ

今年も春、フィリピンツアーが開催されるという記事をニュースレターで読みました。参加すれば、6年間サポートしているポーリーンちゃん(12歳)に会える!という事で、主人と家族の誰かに行ってもらおうと考えていました。

私が行くことは難しいと思っていましたが、同居している実母に話をすると、行っておいで、私が何とかするから!と背中を押してくれて、行く決心をしました。

フィリピンへは30年前に2ヶ月半の宣教旅行へ行ったことがあるのですが、すっかり便利で快適な日本の暮らし慣れてしまっているので、期待と同時に不安もありました。でも、イースター礼拝の時に語られた御言葉、わたしがともにいる、イエス様が先頭に立って導いてくれる、というメッセージにとても励まされました。

日本のお菓子が喜ばれるとのことで、スーパーで大量のカプリコとグミ、キャンディを購入、スーツケースいっぱいに詰めました。サポートしているポーリーンちゃんには、調べるとフィリピンの方へのお土産には、日本のタオル、文具が喜ばれる、とあったので、これだったら喜ぶかな?と思うものを選びました。

準備も整い、いよいよ出発。羽田空港で万代先生、ツアーでご一緒する方々とお会いし、和やかな雰囲気でツアーが始まりました。

マニラ空港に到着、お迎えのジプニーに乗ってメトロオフィスへ。中を案内され、スタッフやボランティアのメンバーが住んでいる建物、また、たくさんの支援物資がプレゼントとして用意されているのを見せていただきました。私たちが月々サポートしている子ども達へは、家族に直接現金を手渡すのではなく、スタッフのきめ細やかな配慮、訪問、また、子どもに必要なものを手渡す、という支援に使われていることを知り、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

2日目、午前中いよいよポーリーンちゃんに会える、ということで、ドキドキ。毎回送られてくるポーリーンちゃんの写真を見ていると、身なりもきれいで栄養状態も良いような感じがしていたので、もう生活は改善しているのでは?という思いもあったのですが、住んでいる場所に行って愕然としました。元スモーキーマウンテンのあった場所で、20年前に政府が建てたというアパートの4階。狭い玄関から入ってすぐの部屋、ここがポーリーンちゃんの部屋?と思ったら、四畳ほどの部屋に所狭しと、お母さんのお兄さん家族が4人で住んでいる、という事で中を覗くと男の人が昼間から横たわっていてギョッとしました。部屋のすぐ先に狭い台所にトイレ、狭くて急な階段を案内され上へ登ると、天井はかがんでやっと立てる、狭い部屋が二つ、大きさはそれぞれ4畳ぐらいで、右側が女部屋で、お母さん、ポーリーンちゃん、お姉ちゃん、妹2人の部屋、左側が男部屋、こちらも男の人が寝転がっていて、ハーイ!とにこやかに挨拶をしてくれました。こんな狭いところに12人で住んでいて、生活費は同居しているおじいちゃんが自転車のトライスロンで稼いで家族を養っている、ということを聞いて衝撃でした。

訪問後、ポーリーンちゃんと私たちを載せたバイクのトライスロンは街中をかっ飛ばしてショッピングモールへ。

ファーストフード店でポーリーンちゃんとお母さん、可愛い1歳の妹と食事。一緒に写真を撮ったり折り紙を折ったり楽しいひとときでした。ショッピングでは大喜びでお母さんと2人、カートにたくさんの食料や雑貨を選んで入れていて、その姿を見てとても嬉しくなりました。最後に主人がポーリーンちゃん、家族の祝福を祈りました。お母さんポーリーンちゃんの肩に手を置いて祈った後、日本語でのお祈りでしたが、33歳のお母さん泣いていました。16歳で最初の子どもを産み、ポーリーンちゃんは3人目、下の2人の妹はまた違うお父さんの子ども。2番目のお父さん、怠け者だったので追い出したそう…

ポーリーンちゃんを取り巻く様々な状況も知ることができました。

午後は、お墓に住んでいる子ども達のサンデースクールを見学。想像していたところとは全く違う大規模な墓地で、約5000人が住んでいると聞いてびっくりしました。どんな風に住んでいるのか?フィリピンでは火葬せずに棺桶に入れて埋葬するのですが、その棺桶が納められている場所(屋根がついている部屋の中にある)が寝床になっていて、お墓参りに家族が来る時は移動する、という生活なのだそう。スモーキーマウンテン同様、とても不衛生なところでした。

サンデースクールが始まると子ども達は生き生き!みんなかわいくて純粋で天真爛漫で…

メトロのサンデースクールは最初子ども達を楽しませて盛り上げる、でもルールもしっかり決まっている、笛が鳴ると静かにする、ちゃんとした態度でいるとお菓子がもらえる、など、様々な工夫が凝らされていて、メリハリのある、子ども達を決して飽きさせない、楽しい、また、核心部分である神様の愛、福音がしっかりと語られているプログラムでした。子ども達が心から神様を賛美している姿に心打たれました。また、そこで育ったティーンエージャーや大人が、現在素晴らしい働き人になっている姿も感動でした。

最後に日本から持参したお菓子を配りましたが、想像以上に喜んで受け取ってくれました。

3日目、午前、午後と、スモーキーマウンテンで行われている2か所のサンデースクールに参加しました。この日はサポート教会の方が仕出しをしてくださっていて、子ども達、家から器を持っての参加です。

サンデースクールの合間に、台湾人スタッフ女性が、スモーキーマウンテンを案内してくださいました。立ち退きがあってからも住んでいる人がいる、と聞いていましたが、数十人と思いきや、たくさんの人が住んでいてコミュニティができていました。スラムはどこも子ども達、赤ちゃんがいっぱい、そしてみんな人懐っこくて可愛い!

スモーキーマウンテン、ゴミで固められた山…

頂上から眺める景色、ここから外の世界はどうなっているの?と眺めることができるだけで、ここから抜け出せない子ども達、ほとんどの子どもに戸籍がないそうです。
でも、なんだか幸せそうです。大人はのんびり、子ども達は友達、家族と一緒にイキイキと過ごしているように見えました。

でも夜は電気もなく真っ暗、大雨が降ると洪水になってしまうそうです。
午後のサンデースクールにポーリーンちゃんが来てくれて再会できたことも、とても嬉しい出来事でした。駆け寄ってギュッとハグしてくれて…また、ワーカーとして働いている姿を見て、涙が出るほどの喜びでした。

今回スラムに行って感じたこと…

子どもがある程度ちゃんとした服を着ていて(よく見るとポロポロであったり汚れたりはしていますが)髪型もボサボサでなくちゃんとしていること、栄養状態も見た感じとても元気そうなこと。親の愛情を受けていること。

貧しいのになぜ?その日暮らしの家庭が多く、衣食が第一で、住む家や環境は二の次三の次なのかな、と感じました。でも、子ども達は幼いなりに自分の貧しさのことも知っていて、3歳くらいの男の子がお金ちょうだい、とジェスチャーで訴えてきたりしていました。

聖書の福音、希望、そして教育が必要だとあらためて思いました。

メトロの支援は本当に貴重で、1人の子ども、またその家族の人生を変えることができる、素晴らしい働きであることを再発見できる旅でした。


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