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引退馬支援とクラウドファンディング

はじめに

このnoteに投稿するのは、おおよそ3か月ぶりくらいだろうか。
前に投稿したのが宝塚記念の週だから、上半期の終わりからずっと間が空いてしまったこととなる。

そして、もしかしたらこのページで初めて私のnoteをご覧になってくれるありがたい方もいるかもしれない。

ということで改めて自己紹介を。
普段はGratanという名義で競馬などをしている大学生。毎週競馬を楽しみながら(ちっとも当たらないけど)、実際に馬に触れ合う事も好きな大学生である。

noteを書くのをサボるようになる前は予想や過去の競馬のことなど、毎日楽しく書いていた。(そして自分の馬券下手ぶりをさらしていた)

また、ありがたいことに時々ウマフリ様に名馬記事などを寄稿させていただいている。過去に書いた主な記事はこちらにリンクがある為、もし興味があればご一読していただけたらありがたい。

1.引退馬支援とは

さて、私が学生というのは、このnoteで何度か触れてはいる。しかし中には「具体的に何やってるの?」と思う方もいるだろう。
大学生になると卒業するには単位のほかに、「自分が4年間で学んで きたことを論文として発表する」という卒業論文の提出が必須になってくる。自分の卒業研究は「馬」がテーマである。これに関してはゼミ所属の2年時からブレておらず、一貫している。
これが3年時にトイトイFの記事、またスーパーホーネットの話を受けて「引退馬支援」にテーマが移行し、4年になった今、「地域づくりと馬」という考え方で論文を書こうと思っている。
──のだが、いかんせんこれが難航。
前提として「そもそも引退馬支援って何よ」という方もいらっしゃるとは思うので簡単に触れておくと、読んで字のごとく「引退した馬を支援する事」である。
これはすべての馬共通で、G1馬だろうが未勝利馬だろうが未出走馬だ ろうが、誰かが支援を行っていれば「引退馬支援」になる。ついこの間、ナイスネイチャのバースデードネーションで話題になったから、 記憶に新しい方もいるだろう。


有名な支援団体としては、サンクスホースプロジェクトやTCCなどがあげられる。角居勝彦元調教師の広報活動などによご存知の方も多いのではないだろうか。こうした機運が、競馬ファンのなかでも盛り上がりつつある。
しかし中には、そうした活動そのものを「意味があるのか」と感じる方もいるはずだ。
この問題に関して、明確な正解などない。 なぜならば、命を扱っている問題でもあるからだ。
サラブレッドは経済動物と呼ばれる。強くなるために交配され、産まれ、幼駒の段階で処分されるような馬もいて、厳しい鍛錬に耐えやっとデビューしたと思えば、活躍しない馬は見向きもされず、いつの間 にか姿を消す......。
ディープインパクトやキタサンブラックなど、輝かしい成績を残した馬は重宝され、次代への血を紡ぐ仕事が与えられたり、サイレンスス ズカやライスシャワーなど、不慮の事故でこの世を去ってしまっても、その伝説的戦績やエピソードからいつまでも記憶に残る馬達がいる一方で、だ。

例えばもし、ゴールドシップが勝ち続けていなければ? デビューすら叶わない程に気性が悪かったら?
ウマ娘として人気を博すこともなく、ただ手を煩わせるだけの暴れ馬 として周囲を困らせ──そして今頃、この世にいないかもしれない。
そんな「職」を失った彼らを、ただ助けることに意味はあるのだろうか。
これに関しては明確に言える。意味などない。 ただ助け、食べ物を与え、生きてもらう...そんな生活を続けてみれば、自分は絶対に疲弊していく。馬というのは犬猫のペット感覚で買えるものではないのだ。養育費は飼料代、削蹄代、預託費のみならず、馬によっては去勢代などだって考えなければならないだろう。

十分なプランも資金もない人間が衝動的に大枚はたいて引き取ったとしても、大概が資金繰りに苦しむことになるはずだ。自分が不幸になっ てまで引退馬支援をする必要はない。自分も馬も不幸になるなんて、 一番あってはならない事なのだから。 だから引退馬支援を行う上での第一歩目において、大きな障害となるのは感情、それも「可哀想」という感情であると自分は考えている。 過去に大学の授業で発表した際に使ったパワーポイントでは、このような記述をした。

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要は「その馬を幸せにできる算段が自分にはあるのか?」という事 だ。「イメージもできていないのに衝動的に引き取ると、後が怖いよ」という事である。「ただ助ける」と書いたのは、そういう意味だ。

2.引退馬支援における、Gratan個人の考え

 前置きが長くなってしまったがここからが本題。
じゃあどうやって支援するの?」という事だ。
先に断っておくが、私は安楽死処分や殺処分に関して否定的な意見は持っていない。無論、全ての馬を肥育取引から救う事や、殺処分反対などの考えはない
理論上、そんなことは不可能だからだ。
肥育取引から馬肉として処分される馬を例えば全頭引き取ったとして、彼らにかかる維持費やコストは?

そしてそこで働く人たち、馬肉を引き取る人たちの経済にも、微々か もしれないが影響は出るのではないだろうか。
上にも書いたように、競馬が競馬として存在している以上は結果が出
せなければ処分されてしまうのは仕方ないことだ。
だから一部のファンは、引退馬支援を「偽善」というのかもしれな い。実際、この研究を始めてから同ゼミ生からの質問や競馬好きの知人から辛辣な言葉をかけられたこともある。
例えばこんな声だ。

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特に偽善事業に関しては、こちらで救う馬を決めているのだからそうとしか言えないのかもしれない。そこに関しては否定はできないが、ここで来る考えがこの「ただ救う」ということ。

この考えではここに立ち止まってしまうが、自分の考えは「使役して利益を出して生きてもらう」人間に例えるなら転職サポーターだ。
そして、自分が多くの人と関わっていく中で得た一つの考えは「引退馬が利益を出すこと」による解決だ。
競走馬時代と同様、その馬がある程度自身の飼育費、リトレーニング 費を稼げるくらいの利益を運んでくればいいのではないか──という のが、私の考えでもある。
そしてそのためには何が必要か。ここに私がお世話になった人の考え方、またその周りの方々の考えを合わせ、異種業界提携という考え方がベストなのではないかと思ってきた。

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やっている地域や団体は、きっと数多くある。
そしてここから先に、自分は進めていなかった。
ぼんやりと、将来起業し微力でも携わりたいとは思ってはいるが、何を考え、何を応用するか...知識不足と応用力が足りない。
私のゼミの教授に「1度引退馬から離れて、地域振興や地域おこしの 事と応用について考えなさい。固執しすぎだ」とも言われた。
そしてつい先日、ある場所で行われた起業家たちの集まる塾。

勿論、自分より何個も年上の人が多かったが、そこにリアルで参加し、いろいろな人の「自分の好きなこと」を実現している事、その為に何をやってきたか、またこれからどう動いていくのか。
そこで受けたカルチャーショックは、計り知れない。
目をギラギラさせ、本当に楽しそうに語るその方たちに、尊敬の念を抱いた。
8月中旬、乗馬ライセンスを取るのと並行して数日間の間ではあったが牧場での実働経験もさせていただき、ただ机上で考えるだけでは決して得られない経験もさせていただいた。
そして自分は決めた。このまま突き進もうと。
自分の考える「引退馬支援」は、「仕事をする引退馬を誕生させる事」 だ。
つまり働く馬を支援し、仕事を増やす支援をし、仕事ができるようにする支援を考える。
勿論考える事は山ほどある。「セラピーもリトレーニングもできない馬達には、果たして何ができるのであろうか?」という事から、まずは始まるだろう。

ここを「何もない」といってバッサリ切ってしまうのは簡単。
それでも、何かできることがある可能性を持つのなら。
自分がお世話になった馬に、何か恩返しができるのなら。
自分が将来、支援で何かしらをしてあげたいと思っているからこそ
必死に全力で、がむしゃらに突き進む事が必要なのではないか。
支援を考えているのなら、ただ救うのではなく、人間が何かしらの仕 事を与えてあげる事。それこそが必要なのではないだろうか。
ここまでなかなか、記述だけで行動に移せていなかった。

3.学生のうちに、今できる事を


とはいえ、自分の学生生活ももう終わる。何か、何かないかと考え、 クラウドファンディングを開催するといった考えに至った。
詳細はまた公開後に詳しく書こうと思うが、まず第一歩として、自分がこの学生生活でお世話になった馬っこパーク・いわての馬達への資金援助ができたらと思う。
コロナ禍の影響で乗馬に訪れる人も減り、チャグチャグ馬コも中止となり、昨年度は大きな赤字を出してしまったという。そんな場所へ、まずは自分に様々なアイデア、考えを導き出してくれた人と馬に、自分の想いで支援することができたら。そう思い、このクラウドファン ディングを発起するに至った。
勿論、人様の金を使って馬を支援するとは何事かと思う方もいるかもしれない。
人の褌で相撲を取るなんて...とも思われるかもしれない。

 それでも、学生の自分には大量の資金など存在しない。
懸命にリトレーニングや、乗馬のレッスンに励んでいる彼らに、少し でも援助をするなら、この方法しか考えつかなかった。
もし共感をして頂けたら、公開後、是非支援をのご検討をいただければ幸いだ。

以上をもって、この記事の結びと変えさせていただきたい。

Twitter→https://twitter.com/GR_TAN0903


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