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わー逃げろ逃げろ

募ってはいるが募集してはいないことに怒り心頭な人々が沢山いる感じで、日本語が壊れるとか日本が壊れるとか、非常に危機感を感じておられるんだなー。みんな大変だなーと思いつつ、まぁあのおっさん達にはほんと舐められすぎてて純粋な不快感はものすごくあるんだけれど、日本が壊れる危ない!みたいな気持ちってないなーと再認識した。

むしろ、日本が壊れて困るのは、日本で生まれて日本で育ったおかげで言語とか人脈とかで得をしている日本人で、愛国心とか愛郷心とか色々名前があるけれど、日本人であることによる既得権益が損なわれるからじゃないの、みたいな気持ちがある。

豊かさ、みたいな話だと、乱暴ですが四大文明→中東→ヨーロッパ→モンゴル→もっかいヨーロッパ→北アメリカ、ちょっと極東とか中国とかがブイブイ言わせつつ、南米惜しかったな、あれヨーロッパ多くね?このあとはアフリカ大陸の番が来るといいね、みたいな心持ち。昔日本人がわいのわいのタイとかに旅行に行ってて、今はその人達が日本に遊びに来ているのをみていると、彼らのターンが来てるんだな、それがフェアだよな、と思う。

学生の頃に、愛国心は無理だけど、自分の好きな人達が苦労しないようになるといいな、なんて思っていて、これを拡張すると愛国心みたいなものになるんだろうかなどと思っていたけれど、いま現在好きな人でワンツーフィニッシュしているところの2人の子供のことを考えると、そんな国境や言語なんかの枠組みに捉われず、うまいこといきそうなところに自由に飛び立ってたくましく生きていってほしいという気持ちの方が強い。

我が身を振り返るとけっこう呑気に生きてきているのだけれど、自分の人生で一番しんどかったのは中学生の頃と大学院生の頃かなーと思っていて、その理由は、その時自分がいた環境の中でどうにかしなければいけないと思い込んでいたからだな、と今は思う。まさに逃げるは恥だが役に立つで、今自分の子供が先輩に目をつけられるとか院生の間で落ちこぼれているとか、なんにせよしんどい、死にたい、みたいになったら、わー逃げろ逃げろと言おうと、それだけは心に決めている。もしご一緒できるならばできるだけ賑やかに逃げていきたい。

そういう意味で、逃げるための余裕を持ってないとなと無駄遣いを謹んだり、心積りとか選択肢を持つために、例えば子供を無理矢理海外旅行に連れていったり英語を習わせるとかしているわけだけれど、ちょっとその振り上げた拳を下ろしていただきたい。自分がよければいいと言って、いるけれど、そればっかりではないんですよ。落ち着いていただきたい。

そういう環境を与えられていない子供がいる、ということは、気になる。たとえば、自分が関わっている仕事だと、ツアー料金にオプションをつける形で、その1,000円でご飯が食べられない子供に無料でご飯を出します!とかしたらこども食堂として持続可能な形にできないかなーこういうのってもう日本人相手にやってあーだこーだ言われるより、いっそ海外の人に助けてもらう方が楽なんじゃねみたいな青臭いことをつらつら考えちゃったり、もし自分の目に入る範囲であからさまにやばい子が居たらちょっとおじさん冷静で居られないな、という気もする。ここから日本の政治がみたいな問題意識に…?

でもでも、そうなってくるとシリアはどうだウイグルはどうだナイジェリアだって、みたいになってきて、やっぱり、自分の目に入る範囲を超えると、あんまり日本だけという気持ちにはならない感じ。
もちろん、自分が、日本人としての既得権益を、生まれてこの方たまにブランクはあれど基本的に日本に住んでありがたく享受してるのは自覚してるし、できればうまくいってほしいけど、まぁそれはもう無理そうだしなー。

この先人口が減って国内市場もシュリンクしていき、グローバル市場の中で優先順位も下がっていき、ローカライズなども簡体字混じりとかになって、高等教育も日本語では受けられなくなり、また移民として日本人が世界に出ていくようになって、もしかしたらアディーチェの小説みたいな物語が編まれていくのかしら思うと、切ないけれど、それはそれでそういうものなのではないかと思う。アディーチェちゃんと読んだことないけど。
日本が壊れるといって、まぁ色々変化があるのだろうけれど、先日 Squarepusher の動画を見て、その昔毎日歩いてた渋谷はもうわからない場所だらけなんだろうなーと少し寂しく思ったけれど、やっぱり、それはそれでそういうものだろう。

こんなこと言う奴がいること自体が日本の危機と言われればまぁその通りだな!

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