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パフォーマンス分析は組織によって異なります

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
 4.1 組織のパフォーマンスの測定、分析、改善では、組織の計画立案とパフォーマンスの向上をサポートするために、パフォーマンスの測定、分析、およびレビューのためのデータと情報をどのように選択して活用しているかを尋ねます。

 4.1(4)では、パフォーマンスの分析とレビューについて尋ねました。

 パフォーマンスの分析は、組織の体制、規模、競争環境、その他、組織内概要の要因によって大きく異なります。

 ボルドリッジに、可能性のある分析の事例がいくつか示されているので、紹介いたします。

• 生産性、サイクルタイム、不良率、廃棄物の削減、二酸化炭素排出量、新製品の導入などの主要な業務パフォーマンス指標における改善傾向
• 競合組織のパフォーマンスと比較した生産性と品質に関する個別あるいは統合された評価尺度
• 競合組織の傾向と比較した費用の傾向
• 市場シェア対利益
• 品質と業務のパフォーマンスが財務パフォーマンスにどのように影響するかを示す事業部門間の比較
• 経済、市場、利害関係者に関する価値指標の傾向と、これらの傾向が組織の長期的な成功に与える影響
• 業務運営費用、収益、資産利用率、従業員一人あたりの付加価値などの指標に反映される、製品の品質、業務に関するパフォーマンス指標、および全体的な財務パフォーマンスの傾向との関係
• 顧客に関する問題と効果的な問題解決の費用と収益への影響
• 働き手に関する問題と効果的な問題解決の費用と収益への影響
• 製品ラインおよび対象地域の拡大を含む、新規市場への参入の費用と収益への影響
• 顧客の獲得及び喪失、および顧客エンゲージメントの変化から見た市場シェアの変化の解釈
• 顧客ロイヤルティが利益に与える影響
• 品質、業務、および働き手のパフォーマンスの向上(例えば、働き手の充足度、安全性、欠勤率、離職率の改善)から得られる純利益または内部留保
• キャッシュフロー、運転資本の利用度、株主価値に対する改善活動の貢献度
• 費用対収益の関係や環境及び社会への影響を考慮した代替的な改善プロジェクトの間での資源配分
• 製品の改善または新製品が、顧客満足やロイヤルティ、市場シェアなどの主要な顧客指標とどのように相関しているか
• 働き手の熟練度と充足度のニーズを特定し、これに応えるための組織力が、働き手の定着率、動機づけ、生産性とどのように相関しているか
• インテリジェントリスクを追求することに対する投資収益率(ROI)
• 組織の知識の管理と共有の改善に伴う便益と費用
• 教育と訓練に関連する便益と費用
• 働き手による学習や組織学習と働き手一人あたりの付加価値の関係
• 知識の管理とイノベーションの関係

(Baldrige Excellence Framework 2021-2022より。翻訳とアレンジ:筆者)

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 筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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