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活動状況のモニタリング

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの3つ目は
4.経営管理の実践、改善
です。

 戦略や計画の実行における活動状況のモニタリングについて確認します。

4.(5)活動状況のモニタリング
 経営者、経営幹部、管理職は、全社あるいは各部門の活動状況とその結果をあらかじめ定められた目標に照らして常に観察、監督し、必要に応じ改善策などの施策を指示・実行していますか(モニタリング)。

 戦略や全社計画は、各部門さらにはチームや個人の具体的な活動と目標に落とし込まれて実行されます。
 ここでは、計画の一貫性と整合性が重要になります。

一貫性、整合性
組織全体の主要な到達目標をサポートするための計画、プロセス、情報、資源配分の決定、働き手の熟練度と充足度、活動、結果、および分析が相互に矛盾なく一貫している状態です。効果的な一貫性・整合性には、目的と到達目標の共通の理解が必要です。また、組織のレベル、主要なプロセスのレベル、および業務単位のレベルという3つのレベルにおいて、計画立案、追跡、分析、および改善のための補足的な評価尺度や情報を用いることも必要です。
ボルドリッジ主要用語集より。翻訳筆者)

 一貫性と整合性を敢えて分けて考えると、一貫性は上から下へ、すなわち、全社、部門、チーム、個人へと落とし込むときに、上位の目的の達成に矛盾がないように、計画や目標が設定されていることを指します。整合性は横で、すなわち、部門間、チーム間で、すなわち、適切な連携が図られ、上位の目的の達成に向かっていることを指します。

 戦略や計画の目標を達成するためには、それらの活動が期待通りに進んでいるか、進捗状況や活動状況を確認しるためにモニタリングを行います。モニタリングの結果に基づいて、目標の修正や活動方針や手段の見直し、改善を行います。(これをレビューと呼ぶこともあります。)

 モニタリングを効果的に行うためには、活動状況に関して正確な情報を入手することが重要です。モニタリングする情報、すなわち、評価尺度・指標は、戦略策定や計画の段階で設定します。

 一貫性・整合性のためには、目標に沿って、この評価尺度・指標が相互に関連し一貫性を持っていることが求められます。

 目標を一貫性・整合性をもってブレークダウンするためのツールとしてよく用いられるのが、バランススコアカードです。
 バランススコアカードは、財務目標から、それを実現するための顧客価値、業務プロセス、および、それを支える人と組織の学習へとブレークダウンし、それぞれのレベルでの目標とそれを実現するための活動を明らかにするものです。

※バランススコアカードは、一例であり、「ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク」、および、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では、使用するツールは特定していません。

 報告されたモニタリングの結果等の結果から、必要に応じてモニタリングの方法自体も見直し・改善していくことも重要です。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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