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社員を大切にする

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。

 ボルドリッジが大切にする核となる価値観と概念で次に位置するのが人を大切にするです。

 人を大切にするということがいきなり出てくると分かりにくいかもしれません。しかしこれが、従業員を大切にするから、従業員とパートナーへ、「社員」の範囲もパートやアルバイト、ボランティアまで含めた働き手へ、さらには組織活動に関わる全ての人々へと広がってきたとわかれば、理解できると思います。

人を大切にする
 人を大切にする。成功する組織は、働き手と組織に関与しているその他の人々を大切にします。それらは、顧客、地域の人々、サプライヤーやパートナー、および組織の行動の影響を受けるその他の人々を含みます。
ボルドリッジ核となる価値観と概念より)

 まず社員、および、パートやアルバイト、ボランティアまで含めた働き手を大切にすることについて見ます。

 組織の成功は、有意義な仕事、明確な組織の方向性、学ぶ機会、パフォーマンスに対する責任から恩恵を受け、熱意を持って取り組む働き手にますますかかっています。その働き手はまた、安全で信頼でき、協力的な環境を持っている必要があります。

 働き手の人々を大切にすることは、働き手のエンゲージメント、成長、幸福に責任をもって取り組むことを意味します。
 働き手を大切にする際の主な課題としては、
(1)働き手の成功に対し、組織のリーダーが責任をもって取り組んでいることを示すこと、
(2)通常の報酬制度を遥かに越える動機づけと称賛を提供すること、
(3)時によって変化する職場や生活のニーズに合わせた柔軟な仕事のやり方を通じてワークライフバランスを支援すること、
(4)多様な働き手のための包括的で公平な環境を創り出すこと、
(5)組織内での能力開発と成長を提供すること、
(6)中断や移行中にサポートを行うこと、
(7)組織の知識を共有して、働き手が顧客に対してより良いサービスを提供し、戦略目標の実現に貢献できること、
(8)イノベーションを達成するためにインテリジェントリスクを取ること(奨励する環境を創り出すこと、
(9)働き手および組織がパフォーマンスに対して責任(accountability)をもつシステムを開発すること、
(10)多様な働き手のための包括的な環境を創り出すこと、
などがあります。
 リモートワークの増加に伴い、地理的に分散した働き手が有意義な仕事、明確な組織の方向性、学習の機会、およびパフォーマンスに対する成果責任から便益を得られるようにすることが、課題に加わりました。

 リーダーを含む働き手メンバーの成功は、彼らが学ぶ機会があるかどうかにかかっています。この学習には、組織の将来のコアコンピタンスに備えて人々を準備することが含まれます。組織がボランティアに依存している場合は、ボランティアの個人的な能力開発と学習も検討することが重要です。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、4ページに核となる価値観と概念が一覧できます。



 

 


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