見出し画像

ナレッジマネジメントが対象とする「ナレッジ(知)」とは

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの審査基準(質問集)を構成する7つのカテゴリーの中でそのほかの6つのカテゴリーの基盤として存在するのがカテゴリー4「測定、分析、ナレッジマネジメント」です。

 ナレッジマネジメントは組織のナレッジ、「組織知」を作り出し、活かしていく(マネジメント)仕組みです。
 「組織知」は英文の”Organizational Knowledge”の訳です。
 ナレッジ(Knowledge)を「知識」として訳すと狭い意味で捉えられる場合があるので、ここでは「知」としました。

 ボルドリッジにおいて、ナレッジマネジメントが対象とするのは、組織知、組織の知識資産です。知識資産はボルドリッジの主要用語集に定義があるので、これでナレッジを理解するのがよいでしょう。

知識資産(KNOWLEDGE ASSETS)
組織に蓄積された知的資源。情報や、アイデア、学習、理解、記憶、洞察、認識および技術スキル(技能や技巧)、能力などの形で組織とその働き手が保有する知識。これらの知識資産は、組織の働き手、ソフトウェア、特許、データベース、ドキュメント、手引き書、方針や手順書、および技術的図面などの形で存在しています。知識資産は、顧客や、サプライヤー、パートナーの中にも存在します。
Baldrige Key Terms より。翻訳筆者) 

 ナレッジマネジメントの対象は、主となるのは、働き手の持つ知識や技能、知恵およびドキュメントなどで共有されている形あるものですが、顧客やサプライヤー、パートナーの中にあって組織が活用できるものも含んでいます。

◆◆

 を、知識・知恵に分けて議論する場合があります。

 知識創造理論の野中郁次郎氏は近著「ワイズカンパニー」(竹内弘高氏との共著)で、知識を絶えざる実践を通じて知恵(wisdom)にまで高めることの重要性を強調しています。この場合、知識と知恵は別物です。
 知識は”knowledge”で、ナレッジは若干狭い意味になります。

 ボルドリッジの知識資産は、明確に言及されてはいませんが、知恵を含む概念です。働き手の現場での工夫やアイデアを活用することが含まれています。

 オリンピックの翌年に「知のオリンピック」を開催する日本イノベーション融合学会では、を、知識・知恵・知心に分けて、知はそれらが統合されたものと定義しています。

 知=知識(knowledge)+知恵(wisdom)+知心(mind)

※知(chi)の定義は、学会の英文ページ(ページ右上の[English]をクリック)がわかりやすい。

 このように「知識」、「knowledge」の意味は様々ですが、ボルドリッジでは主要用語集の定義で十分です。

★★

 日本イノベーション融合学会主催の「知のオリンピック」は、東京オリンピックの延期とともに翌年2022年に延期されましたが、そのプレ大会、プレ「知のオリンピック」が2021年4月にオンラインで開かれます。
 筆者も学会員で、パフレットが送られてきましたので、紹介しておきます。オンラインで聴講の予定です。

画像1

画像2





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?