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トライアル・アンド・ファインディング

 ボルドリッジ・プログラムは、イノベーションを生み出す組織づくりです。組織としてイノベーションを生み出す仕組みづくりについては、ISOのイノベーション・マネジメント・システム以前に、日本でもいくつかの方法論が提案されています。

 そのひとつに、特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会から出されたイノベーション経営プロセスガイドラインがあります。

 イノベーションを起こすことができる経営のあり方を、基本姿勢とプロセスの面から解説した本ですが、そこに出てくる「基本姿勢」の重要な要素の一つが「トライアル・アンド・ファインディング(trial and findings)」です。

 トライアル・アンド・ファインディングは、一般的には、正しい解を見つけるために様々な試みを行うことを意味しますが、ただやみくもに試してみるということ(=「試行錯誤(トライアル・アンド・エラー)」)ではなく、仮説を持ってトライアルを行い、結果から学んでさらに発展させることで、成功に近づけていくというものです。

 人は失敗することを恐れますが、失敗は発明の母であり、成功のための要因です。イノベーションのプロセスでは「失敗(エラー)」はない、すべてが新しい学びであるという考え方に基づいています。(発明王エジソンの逸話が有名ですね。)

 ITCのイノベーションプロセスガイドラインでは、イノベーション実現プロセスの各ステップに、「トライアル・アンド・ファインディングの姿勢」として、失敗をそのままにするのでなく、それを次のステップの学習知識として活かすためのヒントが示されています。
 考え方だけの提示てないところが、非常に役に立つところです。

 ボルドリッジ・プログラムも学習のプロセスです。そこで薦めているのは、そうとは書かれていませんが、まさに「トライアル・アンド・ファインディング」です。
 イノベーションに向かうための、世界共通のキーワードとして、ここに紹介することにしました。


 

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