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関わる人皆を幸せに

人を大切にする(Valuing People)
成功する組織は、働き手と、顧客、コミュニティメンバー、サプライヤーやパートナー、およびその行動の影響を受ける他の人々を含む組織に関与している他の人々を大切にします。
ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーより)

ボルドリッジでは、組織で働く人々(働き手)を大切にします。
働き手を大切にするとは、彼らの仕事への熱意(engagement)満足成長幸福(well-being)に責任をもって取り組むことです。
これには、職場や家庭のニーズの変化に合わせた、より柔軟な仕事のやり方を提供することが、ますます必要とされます。

働き手を大切にする際の主な課題は、
(1)リーダーが働き手の成功に責任をもって取り組んでいることを示すこと
(2)通常の報酬制度を遥かに越える動機づけと称賛を提供すること
(3)組織内での能力開発と成長を提供すること
(4)組織の知識を共有して、働き手が顧客に対してより良いサービスを提供し、戦略目的の実現に貢献できること
(5)イノベーションを達成するためにインテリジェントリスクを取ることを奨励する環境を創り出すこと
(6)働き手および組織がパフォーマンスに対して責任(accountability)をもつシステムを開発すること
(7)多様な働き手のための包括的な環境を創り出すこと

成功する組織が大切にするのは、働き手(従業員、パート、ボランティアなど)のほかに、組織に関与している他の人々です。
この(働き手以外の)「他の人々」には、
  ・顧客
  ・地域の人々
  ・サプライヤーやパートナー
  ・組織活動の影響を受けるその他の人々
が含まれます。

1998年には「従業員を大切にする(Valuing employees)」としていた価値観が、2000年には「従業員とパートナーを大切にする(Valuing Employees and Partners)」となりパートナーに範囲が広がりました。それが2008年から「働き手とパートナーを大切にする(Valuing Workforce members and Partners)」となり、従業員の範囲がパートやボランティアに広がりました。そして2015-2016年版から現在の「人を大切にする」になりました。
外部との連携に目を向けたとき、バリューチェーンがバリューネットワーク、ビジネスエコシステムに拡張され、組織の活動がお互いに影響しあう外部の範囲も拡大してきました。
このように、組織が大切にしなければならない「人」の範囲が広がってきました。


補注
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは2年毎に(2008年までは毎年)最先端の成果を取り入れて改訂されており、そこに含まれる「核となる価値観と概念」もその数は変わらないものの、中身は変化(進化)してきています。
ここでは、「人を大切にする(Valuing People)」という価値観の意味と、その変遷を紹介しました。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(Baldrige Excellence Framework)の要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。
「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


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