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「知の経営」を概観します

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの5つ目は
5.知の経営の実現
です。

 「知の経営」は、ナレッジマネジメント(知識経営)を発展させたもので、次のように定義されています。

知の経営とは、組織の目的・目標を達成するために、価値を創造する知(知識・知恵・知心の総合概念)を発見し、理解し、共有し、創造し、活用する体系的なアプローチであり、適切な時期に適切な場所で適切な人が、知をスムーズに移転し、活用できるようにする効果的な仕組みを構築し運営すること
(経済産業ビジネススクール「二水会」第11講資料より、髙梨智弘講師)

 ここでは「知」を、「知識・知恵・知心の総合概念」としています。

 知識・知恵・知心については、「知のピラミッド」で示します。

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 「知のピラミット」では、「情報」から価値のあるものを、知の場を通して知識にすることを示しています。「情報の上層部」を、「知識・知恵・知心」の三つに分け、それらを併せて「知」と呼びます。

 欧米型ナレッジ・マネジメントは、情報の活用という意味で、形式知に注目し、知識の収集・蓄積・精製・分配・利用というナレッジ・ベース(ナレッジ・データベースとも言う)システム導入という手段をとってきました。
 ここで扱う「知識」は、どちらかと言えば、「価値ある情報」すなわち、「知のピラミッド」の図の「知識」に当たるモノを主な対象としています。
 しかしながら、ボルドリッジでも、行動につながる情報(actionable information)を重視しており、「知のピラミッド」でいう「知恵」にまで、ナレッジが拡張されてきています。

 変化の時代に、知識だけでは何も動かない、行動して知恵を持ち、関係者
の知心を虜にした知の経営者だけが、イノベ―ションを起こせるとして、さらに「知恵」の上層にある「知心」の活用を重視しています。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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