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崇高なる目的(ノーブル・パーパス)

 時代はステークホルダー中心のリーダーシップを求めており、そこでは、会社のパーパスに関わる部分を根本的に再定義し、社員の持てる力を最大限に発揮させるすべを身につけることが重要とわかりました。

 それを実現するには、ノーブル・パーパス(崇高なる目的)を明確な文章にすることが必要であり、それは次の4つの点が交差するところで見つかるとしています。

①世界が必要とするもの
②自分たちが情熱を注げるもの
③自社の得意分野
④十分な投資リターンを得られるかどうか

 図で示すと次のようになります。

ノーブル・パーパスの在りか

 こうしたノーブル・パーパスに導かれ、人々を中心に据え、人間の持つ素晴らしい力を解き放つ組織に作り変えます。
 そのためにはリーダーは、社員一人ひとりが花開き、最高の自分、最大の自分、最も素敵な自分になれるような職場環境を作り上げることが役目となります。

 これについてボルドリッジでは「核となる価値観と概念」の一つ、人を大切にする(Valuing People)で述べています。

 働き手の人々を大切にすることは、働き手のエンゲージメント、成長、幸福に責任をもって取り組むことを意味します。(これには、職場や生活のニーズの変化に合わせた、より柔軟な仕事のやり方を提供することが、ますます必要とされるかもしれません。)働き手を大切にする際の主な課題としては、
(1)働き手の成功に対し、組織のリーダーが責任をもって取り組んでいることを示すこと、
(2)通常の報酬制度を遥かに越える動機づけと称賛を提供すること、
(3)時によって変化する職場や生活のニーズに合わせた柔軟な仕事のやり方を通じてワークライフバランスを支援すること、
(4)多様な働き手のための包括的で(分け隔てない)公平な環境を創り出すこと、
(5)組織内での能力開発と成長を提供すること、
(6)中断や移行中にサポートを行うこと、
(7)組織の知識を共有して、働き手が顧客に対してより良いサービスを提供し、戦略目標の実現に貢献できること、
(8)イノベーションを達成するためにインテリジェントリスクを取ることを奨励する環境を創り出すこと、
(9)働き手および組織がパフォーマンスに対して責任(accountability)をもつシステムを開発すること、および
(10)多様な働き手のための包括的な環境を創り出すこと、
などがあります。
(ボルドリッジ「核となる価値観と概念」より抜粋。翻訳筆者)

 ノーブル・パーパスと人を戦略の核にして、実際に取り組むことが大切であり、リーダーの重要な役割です。

参照:DHBR Oct. 2021 「ステークホルダー中心のリーダーシップ」(ヒューバート・ジョリー著、2021)

★★
 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、質問に答え、その回答を評価し、改善に結びつけます。そして組織の将来の成功を確実なものにしていきます。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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