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消火活動からイノベーションへ:学習に対する比喩 ちょっと補足

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。

  ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークを、自己評価やMB賞審査基準として使う場合には、その点数で組織の「成熟度」を評価します。

 組織のプロセスに関する質問は次の6つの区分(カテゴリー1~6)に分かれています。
1. リーダーシップ
2. 戦略
3. 顧客
4. 測定、分析、ナレッジマネジメント
5. 働き手
6. オペレーション 
 プロセスとは、組織内外の顧客に向けて製品またはサービスを提供することを目的とした一連の活動のことです。それを上記6つの区分に分けて確認していきます。
 アプローチとは、組織がプロセスを実行するために使用する方法です。
 プロセスの質問への回答は、次の4つの視点(ADLIと覚えます)で評価します。このことはすなわち、プロセスの質問に答える際には、主要なプロセスに関する次の4つの情報を含めることが求められているということです。
A)アプローチ
 組織の仕事をどのように達成しますか?あなたの主要なアプローチはどれくらい効果的ですか?
 組織の仕事をどのように達成しているか、その方法を質問しています。さらに、その方法が効果的かどうかも聞いています。
D)展開
 組織の関連する部分で主要なアプローチがどの程度一貫して使用されていますか?
 その方法が適用されている範囲を質問しています。
L)学習
 主要なアプローチをどの程度評価および改善しましたか?改善点は組織内で共有されていますか?新しい知識はイノベーションをもたらしましたか?
 その方法に新しい知識やスキルが埋め込まれているかどうかを質問しています。
I)統合
 アプローチは、現在および将来の組織のニーズにどのように整合しますか?
 その方法は組織のニーズと整合しているかどうかを質問しています。
 プロセスの評価は、この評価の4つの軸(ADLI)それぞれがどのような状態にあるかを、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークにある「プロセス評価ガイドライン」という表の記述と照らし合わせて、プロセスごとに評点(%)を決めていきます。

 このADLIの4つの評価の軸のうちL(学習)について、その段階を比喩で示したのが、図「消火活動からイノベーションへ:学習に対する比喩」です。

 もちろん、「学習」の「展開」「統合」ということで、「展開(D)」「統合(I)」の軸も含まれています。

 なお、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの成熟度の4段階は、上述の1,2を合わせたもの(0-25%)が、最初の段階「場当たり的」に該当します。

 紹介した図「消火活動からイノベーションへ:学習に対する比喩」の意味について、補足させていただきました。

※ここでは、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」にある情報をベースにADLIを紹介しました。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの「評点の仕組み」では、より詳細な説明が見られます。

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 「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


 

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