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熱意溢れる働き手

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの2つ目は
2.経営資源の確保・維持
です。

 ヒト,モノ,カネ,情報の4つが主要な経営資源のうち、ヒトのモチベーションに影響を与える要因について見てきました。

 働き手のモチベーション、働き手のエンゲージメントを高める要因について、ボルドリッジを参考にまとめておきます。

 働き手は、業務に個人的な意義と動機を見出し、個人間および職場で支援を受けたときに、最高の力を発揮します。

 個人的な意義と動機は、組織のミッション、ビジョン、価値観への共感、自分のやっていることがお客様や社会の役に立っているというやりがいです。
 個人間および職場での支援は、お互いに認め合いサポートしあう組織文化をもつ働きやすい職場、自己の成長への支援とその実感です。
 熱意溢れる働き手が、組織の成功の要になります。

 組織がその業務を遂行するために人材とスキルが適切であるかどうかは、次の2つの側面に分けて見ることができます。

能力的な側面(熟練度) 業務を遂行するのに必要な知識、技術や技能、資格を持った人材を確保する組織の能力
量(人数)的な側面(充足度) 季節やその他の要因で変動する人材需要への対応など、組織の業務遂行に十分な人数の人材を確保する組織の能力

 能力的な不釣り合いや、人数的な不足は、働き手のモチベーションに影響します。人数的な過多は、費用の増加につながります。適切かどうかを評価して人材を確保することが望まれます。

 組織が働きやすい場所であるためには、
・信頼関係、
・安全で協力的な環境、
・良好なコミュニケーションと情報の流れ
・一人ひとりの能力に応じた権限委譲と責任
などが関係します。

 働きやすい場所であることは、一人ひとりのやりがいと熱意を高めることにつながります。
 働き手のエンゲージメントが、組織の将来の業績につながることが分かっており、これらは組織業績の先行指標ともなります。

 ボルドリッジではこれについて、働き手のエンゲージメントというテーマで、働き手のエンゲージメントを高める取り組を紹介しています。

働き手のエンゲージメント(WORKFORCE ENGAGEMENT)
組織の仕事、使命、ビジョンを達成するための働き手の感情的および理性的な献身(commitment)の程度。
(ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】より。)

 エンゲージメントの高い働き手は、信頼関係、安全で協力的な職場環境、良好なコミュニケーションと情報の流れ、権限移譲、成果に対する高い期待などによってますます良い影響を受けます。
 働き手のエンゲージメントに貢献する主な要因には、訓練とキャリア開発、効果的な表彰と報酬の制度、公平な昇進と校正な待遇、家族的な親密感などがあります。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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