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ベートーヴェン生誕250年

クラシックのコンサートがしばらく開かれなくなって忘れていたけれど、今年2020年はベートーヴェン生誕250年の記念の年でした。ベートーヴェンは1770年12月17日生まれです。
ベートーヴェンで普段聴くのはピアノ・ソナタ。たまにコンチェルトや交響曲も聴きます。合唱団に入っていて、昨年秋には第九も歌いました。

ベートーヴェンの交響曲は9曲どれも異なっていて、独創的かつ個性的。また、論理的に緻密に構成されていると言われています。
ベートーヴェンは交響曲でいくつかイノベーションを起こしました。
交響曲第五番「運命」では、一つはそれまで使われていなかった「新しい楽器の採用」。最高音をピッコロが、最低音をコントラファゴットが受け持ち、音域を広げました。また楽曲全体に力強さを増すためにトロンボーンを加えました。
あと一つは「楽章の連結」。CDで聴いているときにはわかりにくいのですが、楽譜には第三楽章の終わりに、楽章と楽章の間を切れ間なく演奏するという意味のattacca(アタッカ)という指示記号が書かれていて、第三楽章、第四楽章が続けて演奏されます。それまでは、交響曲は楽章ごとに独立していて、指揮者は一旦手を止め、間をおいてから次の楽章の演奏を始める。演奏会では楽章単独で演奏されることもあったということです。
イノベーションではないですが、この交響曲では、冒頭のタタタ・ター、タタタ・ターという「運命のモチーフ」が、第一楽章全体だけでなく、ほかの3つの楽章にもちりばめられていて、かつ、すべての楽器が一度は演奏するというように、この交響曲の統一的なテーマになっています。

こうした話を聞いて、ボルドリッジの「核となる価値観と概念」の先頭にある「システム的視点(Systems Perspective)」という言葉を思い出しました。
同じテーマのもと、各楽器、各パートがそれぞれの役割を果たしながら、楽章を作り上げる。楽章もそれぞれに関連して、一つの交響曲を形作っている。それらはどれも取り替えることはできない。

システム的視点とは、組織のすべての部分を統一した全体として管理して、ミッションを達成し、ビジョンに向かって努力することです。ボルドリッジの核となる価値観と概念のさらに中心的な役割をもつものです。(ボルドリッジの価値観と概念の役割という図でもその真ん中に位置しています。)

ボリドリッジがようやく到達した概念に、ベートーヴェンは200年以上も前に気づいていました。

2020年7月26日(日) 

※写真は昨年歌うときに使った第九の楽譜の表紙。音楽之友社刊。

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