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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑰ 記者は短命?

今年も多くの先輩記者の訃報が届きました。古希を迎える前に亡くなった先輩も複数います。秋には、大学で同期だった社会部の記者も、長い闘病の末、亡くなりました。
 
これまで書いてきたように、記者の日常はハードです。睡眠時間は短いし、ストレスも多い。体力に自信がないと、長くは続けられない仕事です。
 
私の後輩が、結婚式を数日後に控えていた時のことです。すでに社宅へ二人の荷物を運びこんでいたのですが、いわゆる「マリッジブルー」という現象でしょうか、相手の女性が急に結婚をためらい出したそうです。

困った後輩は、同じ社宅に住む先輩夫婦に「どうしたらいいでしょうか」と相談を持ち掛けました。先輩の奥さんは親分肌。「私に任せなさい」とポンと胸をたたき、後輩の婚約者を自宅に招きました。

奥さんは開口一番、こう話したそうです。

「とりあえず結婚してみたらいいよ。どうせ記者は若死にするから。とことん相手が嫌になる前に、旦那は死んじゃってますよ」。
 
この乱暴な説得が功を奏したのでしょうか。後輩は無事に結婚式を挙げることができました。幸せそうな二人の笑顔で、式は大いに盛り上がりました。

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