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~『教えない指導』著者 鎌田賢二さんに聞く ヒトの主体的な学びを引き出す「しつもんメンタルトレーニング」とは イベントレポート~

グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブ(GPC)幹事の佐藤正幸(2020期東京校)です。9月10日(金)に実施した ~『教えない指導』著者 鎌田賢二さんに聞く ヒトの主体的な学びを引き出す「しつもんメンタルトレーニング」とは~ のイベントレポートをお届けします。今回は、GPCとグロービス・スポーツマネジメント・クラブのコラボイベントとして開催し、鎌田賢二さん(以下、鎌ちゃん先生)から講演をして頂きました。
※鎌田賢二さんご略歴
道徳教育を専門として京都市小学校道徳教育研究会で「子どもが本来もっているものを引き出す」ための指導技術や教師の在り方を研究。ほかにも、道徳教科用図書編集委員や大学等での講演、他小学校への道徳指導・助言、家庭教育学級を行っている。

著書のタイトルにもある、『教えない指導』ですが、そもそも教えないのに指導することなんてできるのでしょうか?鎌ちゃん先生曰く、「質問の答えはすべて正解・わからないも正解・認め合う、といったスタンスで質問を繰り返していくと、質問された方は自ら答えを探し始めるものですよ。」とのことでした。

例えば、下記のようなシーンがあったとき、皆さんならこの少年になんと声を掛けますか?

図3

私は、「電車の中なんだからおとなしくしていなさい。」とか、「周りの人に迷惑だから、ランドセルを投げるのは止めなさい。」とか、とにかく良くないことのようだし叱るかな、と思いました。

では、次のシーンを見てみましょう。

図2

先ほどの少年は、妊婦さんのために、ランドセルを投げて席を取ろうとしていたのでした。周りの人には迷惑に見えても、実は少年なりの優しい気持ちから出ていた行動だったのです。こうしたシーンを見てみると、頭ごなしに叱ることは必ずしも正解ではなく、「本当は何がしたかったのか?」を問いかけて、少年の良いところは認めてあげながら、どういう行動をするべきだったのか一緒に考えてあげると良かったのかもしれません。

上記のような事例を幾つか引き合いにお話をして頂きましたが、ポイントとなるのは、
・(ある程度教えることは前提だが)、教える割合を減らすと成長の度合いが早くなる
・正解を押し付けるのではなく、質問をして自分で考えてもらうことが大事
・大人自身が笑顔で振る舞い、子どもの回答を楽しみながら質問を繰り返していくと良い
・悪いところを探すのではなく、良いところを見つけて褒める姿勢が大事
というところでした。

参加者からは、
・信じ切る。笑顔。面白がる!等の日ごろの心の状態を意識できるキーワードを知ることができた
・大人に通用する話も多くありましたが、やはり、大人よりもいろいろなことに敏感な子供だからこその接し方について聴けた
といった感想が上がっていました。

鎌ちゃん先生、終始穏やかな語りかけで、子どもとの接し方についてのヒントを下さり、ありがとうございました。講演内容についてより深く知りたい方は、鎌ちゃん先生の『教えない指導』、チェックしてみてはいかがでしょうか。

図4


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