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【イベントレポート】 株式会社ワーク・ライフバランス小室淑恵さんご登壇「業績とワークエンゲージメントを向上させる働き方改革 ~2000社の実績から導き出した具体的手法と最前線の企業事例」

こんにちは、グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブ幹事のタロウちゃん(許斐健太郎 2020期東京校)です。
10月のGPCイベントは、あすか会議2022分科会でもご登壇された、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役の小室淑恵さんが「業績とワークエンゲージメントを向上させる働き方改革 ~2000社の実績から導き出した具体的手法と最前線の企業事例」を講演頂きました。

<小室さん略歴>

2000年 株式会社資生堂にて社内ベンチャー起業
2004年 日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2004・キャリアクリエイト部門受賞
2006年 日本ブロードバンドビジネス大賞受賞
2006年 株式会社ワーク・ライフバランス設立 代表取締役社長就任
2014年 ベストマザー賞(経済部門)受賞
2019年 株式会社オンワード樫山 社外取締役就任

<主な著書>
『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社(毎日新聞出版)』
『労働時間革命(毎日新聞出版)』
『プレイングマネジャー 「残業ゼロ」の仕事術(ダイヤモンド社)』
『6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)
『あなたが輝く働き方』(PHP研究所)
『男性の育休家族・企業・経済はこう変わる』(共著、PHP新書)など30冊以上。

□冒頭からノックアウト!基本から押さえるワーク・ライフバランス

働き方改革と聞いて、多くの企業が陥りがちな間違いとして「ワーク・ファミリーバランス」と「ワーク・ライフバランス」を冒頭に説明頂きました。前者の対象は育児や介護を行っている人であり、家庭のある人と独身者の対立構造を作り、会社業績にはマイナスとなります。後者の対象は全従業員であり、インプットや多様性が付加価値を生み出すため、会社業績にはプラスになります。つまり、この二つは似て非なるものであり、本質的な取組みから逃げればコストばかりが発生し、業績向上にはつながらないとご指摘頂きました。

□目から鱗!人口構造と経済発展について

続いて日本の抱える課題として、就業時間の長さと労働生産性の低さについて言及され、人口構造と経済発展について丁寧にご説明頂きました。人口ボーナス期と呼ばれる生産年齢比率が高くなり人口構造が経済にプラスになる時期では、安い労働力を武器に世界中の仕事を受注できる状態であり、日本の高度成長期にあたるとご説明頂きました。高度経済成長を実現できた理由として「朝から晩まで働く人が多かった」という精神論ではなく、”質より量”の仕事を沢山こなすことができる人口構造が背景にあるということでした。現在の日本は人口オーナス期と呼ばれる人口構造が経済の重荷になる時期と呼ばれています。人口オーナス期では、生産年齢人口でありながら、まだ労働参画できていない人(女性・障がい者・介護者)をどれだけ労働参画させられるか、また生産年齢人口確保のために少子化対策を真に有効な対策とできるかがポイントであると説明頂きました。だからこそ人口構造の変化に対応するため働き方改革が必要なのです。

□ズバリ!真に有効な少子化対策は「男性の働き方改革」「労働時間の上限」「インターバル法制化」

真に有効な少子化対策について、小室さんご自身での経験も踏まえ、人口オーナス期を先行して迎えた欧州諸国の事例を元に説明頂きました。産後うつという悩ましい現実も客観的データに基づき解説され、それを防止するために男性の働き方改革が必要であることを指摘頂きました。

□最後に「生産性の高い職場を実現するには」に切り込む!

これまでの説明を受け、”今”がどういう時代であるかを認識し、いかに生産性を上げる職場を作るかどうかが重要ということでした。つまり、人生100年時代であるということ、そして人口オーナス期であることから、量より質へ仕事を転換し、働く誰もが心理的安全性が担保された中で働くことの重要性を学びました。

~参加者からの質問(抜粋)~
Q,(長時間労働が一律に制限されてしまうと)もっと働きたい、成長したいという若者に何と応えるのでしょうか?
A,よく出てくる質問です。”成長に残業(時間)が必要”と勘違いしています。かつては数をこなすことが重要で、それに比例して時間をかけることが求められ、熟練性が将来にわたって有効になるとわかっていたからそのような考え方が定着しました。しかし今では、組織に持っていないものを探すことが求められていますので、時間をかけることではありません。

まだまだご紹介したいのですが、Noteではここまで。詳しくは小室さんの著書を手に取ってみませんか?

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