トーキング・ヘッズ「Seen and Not Seen」和訳

彼は映画やテレビ、雑誌や本の中に顔を見つけた
彼はこれらの顔のいくつかが自分に合っているかもしれないと思った
そして、何年もの間、理想的な顔の構造を心に描き続けることで
あるいは心の奥底に固定しておくことで
意思の力によって自分の顔を理想の顔に近づけることができるかもしれないと考えた
変化はとても微妙なもので
おそらく10年くらいかかるかもしれない
徐々に彼の顔は形を変えていく
より鉤鼻になり
唇は広く薄くなり
小さな目になり
額は広くなる

彼はこれが他の多くの人々と共有している能力だと想像した
彼らもまた何かの理想に従って顔を形作ってきた
おそらく彼らは新しい顔が
自分の性格により適していると想像したか
あるいは新しい外見に合わせて
自分の性格を変えざるを得ないと想像したかもしれない
これが第一印象がしばしば正しい理由だ

もっとも、何人かの人々は間違いを犯してしまったかもしれない
彼らは自分と全く関係のない外見にたどり着いたのかもしれない
彼らは幼稚な気まぐれや一時的な衝動に基づいて
理想の外見を選んだのかもしれない
中には半ばまでそこにたどり着き
そして心変わりをした者もいるかもしれない
彼もまた同じような間違いを犯してしまったのではないかと彼は考える

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