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GOZOバスクチーズケーキのルーツ 美食の街で学んだ萩原シェフのヒストリー

オープンから約2ヶ月弱にも関わらず、たくさんのお客様にご来店いただいているゴソ。おかげさまでスタッフ一同、幸せな日々を過ごしています。
シェフが1人で仕込みをしている都合上、閉店時間前に売り切れの日もあり、お客様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、2020年もゴソのバスクチーズケーキをどうぞよろしくお願いいたします。(1月1日〜9日はお休みをいただき、2020年1月10日(金)より通常営業となります)

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さて、前回の投稿では、ゴソのバスクチーズケーキについてお伝えしましたが、今回はゴソのシェフである萩原シェフについてのおはなしです。
なぜ、"パティシエ"ではなく"シェフ"と呼ぶのか、そしてゴソのバスクチーズケーキ誕生にはどのようなストーリーがあるのか……?などなど、
ゴソのチーズケーキを食べるのがより一層楽しみになるような、そんなおはなしをお届けします。


美食の街への料理の旅は

イタリアサッカーへの憧れからはじまった

「ゴソのバスクチーズケーキのルーツは、僕が料理人としてヨーロッパでの料理の修業をしていたときに出会った味にあります」と前回語っていた萩原シェフ。彼がなぜ料理人としてのフィールドを世界に広げるようになったのか、まずは料理人を目指し始めた頃に想いを馳せ、当時のことを語ってもらいました。

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「僕は北海道門別町出身で、小中高と地元で過ごしました。学生の頃から、自分で美味しいものを作って食べることが大好きで、もっと美味しくつくるためにはどうしたらよいかということをいつも考えていましたね。そこから飲食業界に興味を持ち、高校卒業後は札幌の調理専門学校へ進学しました。中学生の頃にイタリアサッカーに興味を持ったのもきっかけになって、イタリア料理に興味を持ちました」と語る萩原シェフ。

当時はまだ札幌に本格的なイタリア料理店が少なく、卒業後は洋食店に就職。そこで料理の基礎を勉強し、1年後にイタリア留学をするための準備をスタートします。

「最初に就職した店を退職して、昔からお世話になっていたシェフにイタリアで料理人を目指したいと相談をしたら、まだ時期尚早だと言われてしまって(笑) それで、まずはイタリア料理店でアルバイトをはじめました。半年経った頃、伏見エリアにオープンする本格イタリアンレストランを紹介してもらい、そこで恩師となる小澤シェフに出会いました。小澤シェフの下でイタリアンの基礎をしっかりと学び、イタリアに旅立ちました。」と当時を振り返り語ります。

2000年5月、24歳でイタリアに到着後は、ローマ郊外やベネチアなど現地のレストランで修行を重ねます。料理をすることも、もちろん修行のひとつですが、本場のイタリアンを食すこともこれまた修行。イタリアのミシュランガイドを片手に、ウディネ郊外を訪れ、一ツ星の店『ラ・タベルナ』に出会ったことで新たな目標を見つけます。

本場の味に魅了され修行をスタートした"ミシュラン一ツ星"のイタリアンレストラン

「『ラ・タベルナ』の料理を食べて、ここで働きたい!という気持ちが芽生え、そこから頼み込んで約1年半修行をさせてもらいました。イタリア料理はセクションごとにシェフがいるので、最初にパスタ部門のアシスタントから入り、すぐにパスタ部門を任されるようになりました。

修行はとても楽しくて、休みの日も料理をしたり、オーナーとどこかへ出かけたりと、仕事もプライベートも、どちらも貴重な経験をさせてもらいましたね。現地の人と積極的に交流をするようにしたり、サッカーのためにニュースや新聞を見るようにしたりと、日常会話や仕事で使うイタリア語をマスターしたのもその頃です。

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イタリア時代の萩原シェフ

『ラ・タベルナ』では、地元の食材を使った伝統的なコースやシェフの創作したコースを学んだり、ミシュランで評価されることの大切さや意味を理解できたりと、料理人としての収穫がたくさんありました! 肉や魚料理を担当するメインのセクションやデザートセクションを経験したあと、2002年の日韓ワールドカップに合わせて帰国しました。」

帰国の理由が、ワールドカップとは、なんともサッカー好きの萩原シェフらしいエピソード。帰国後は、イタリア時代に本を読み、興味を持った「北大路魯山人」に影響されて、東京の和食料理店で修行をはじめます。イタリアンとはまるで異なる料理文化に触れ、 “料理は学び”であることを改めて痛感したという萩原シェフ。その後拠点を地元札幌に移すも、すぐに新たな旅へとでかけます。そう次の目的地は、バスクチーズケーキとの出会いのきっかけとなる、スペインです。

スペイン修行の旅で出会ったバール文化とGOZOのバスクチーズケーキの原点『ドン・バロン』

「スペインに行くまではスペイン料理もほとんど食べたことがありませんでした。スペイン旅の目的地に決めたのも、もちろんサッカーです(笑) 
最初は期限付きのオープンチケットで、マドリードへ行き、そこからガイドブックを片手に南北を転々と旅して回りましたね。その中で辿りついた街がサン・セバスティアンでした。」

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サン・セバスティアンの『ウレペル』というレストランで働くことを決めた萩原シェフは、その店のデザート場での修行をスタート。

「デザート場ではミルフィーユやフレンチトースト、ヤギのミルクプリンにりんごのピューレなど、たくさんのメニューを学ばせてもらいました。スペインには、日本でいうところのカフェは少なくて、バールというお店が多く存在します。美味しいごはんが食べられて、お酒もコーヒも飲めて、そしてサッカーも観られるバールに出会って、僕が求めていたスタイルはこれだ!とすぐに思いましたね。帰国後は札幌に戻って、円山にスペインバル『ドン・バロン』をオープンしました。」

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スペイン仕込みの本格的なパエリアとアヒージョが大人気で、多くの人に愛されていた『ドン・バロン』。ゴソのルーツとなるバスクチーズケーキも、『ドン・バロン』で不定期に登場していたのがはじまりです。限定メニューにも関わらず、バスクチーズケーキはあっという間に大人気メニューに! 萩原シェフがさらなる改良を重ねると、バスクチーズケーキへはさらなる進化を遂げます。

「サン・セバスティアンのデザート場で修行したときの経験をもとに、バスクチーズケーキに向き合っていくうちに、その魅力と奥深さにハマっていきました。『ラ・タベルナ』で学んだように、せっかくなら地元の食材を使いたいと思い、まず日高乳業に相談をしにいきました。その結果、日高乳業から2種の素材を仕入れてバスクチーズケーキを作ることに。その素材のおかげで、ゴソならではの中がとろっとした、チーズのそのもののような濃厚なバスクチーズケーキが完成しました。」

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北海道とバスク地方を繋ぐ存在にGOZOのバスクチーズケーキに込めた想い

イタリアから始まった料理を学ぶ旅。イタリア料理やスペイン料理、そして日本食店での修行を経て得た経験と知識は、萩原シェフならではの強みとゴソのバスクチーズケーキの誕生へと繋がりました。ゴソのバスクチーズケーキには萩原シェフの人生がぎゅっと詰まっているのです。

「まだ北海道の人たちにとってバスク地方って遠い存在だと思うんです。バスク地方には、美味しいものがたくさんあって、美しい山も海もあって、北海道との共通点もたくさんあります。だからこそ、実際にサンセバスチャンやバスクに足を運んだ僕が、ゴソというお店を通してスペインやバスク地方の魅力をみなさんにお伝えしていきたいなと思っています!」と笑顔で語る萩原シェフ。

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今回は自己紹介を兼ねたシェフのルーツ、そしてゴソのバスクチーズケーキのルーツを辿る長いストーリーになりましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございました。

すでにお店にお越しいただいたお客様も、これからお越しくださるお客様にもぜひバスクの文化を感じていただけるよう、これからも美味しいバスクチーズケーキをお届けしたいと思います。

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GOZO(ゴソ)

住所_〒064-0806 札幌市中央区南6条西17丁目2-5
アクセス_札幌市営地下鉄東西線 西18丁目駅より徒歩10分
電話番号_011-252-9533
営業時間_9:00〜18:00
定休日_水曜日
※店舗の専用駐車場はありませんので、
近隣のコインパーキングをご利用ください。

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