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ようこそ 犬語の世界へ 選択と提案。

気候が徐々にですが確実に秋に向かい、歩きやすくなった昨今、犬の散歩にも犬からの余裕が観えるようになりました。
舌の長さもダラダラではなくなり、“暑いからもう帰ろう”という、犬からのcueも少なくなりました。
この夏も目の飛び出るような電気料金に喘ぐと共に、犬のいる幸せに汗を流しながら噛みしめています😅

そんな秋も深まる中の犬散歩を楽しむ付き人が増えて、犬同士のすれ違い、行き違いも多くなりました。

いつもの川原だと広いので見知らぬ犬とのすれ違いもスムーズですが、チーの意思で今日は住宅街散歩を選択すると見知らぬ犬との出会いは漏れなく多くなります。
それなら刺激のない環境を選択すればいいと思うのですが、年老いても、たまに刺激を求めていつもとは違うことを選択するのは人間と良く似ているなと思ってしまいます。

さてこの日も秋の爽やかな散歩のスタート。
選んだのは住宅街。
人で言えば、商店街が軒を連ねるようなもの。
あちこちに鼻を向け、丁寧に匂いとり、同族を見つけては知っている犬であればそそくさと挨拶に出向きます。

チーは30kg近い大きな犬ですが、至って争い事が好きでなく、いきり立つ同族の傍には行くことはありませんが、苦手な犬との遭遇は住宅街では都度都度起こります。
この日は右手から苦手なイキり系の同族中型犬が付き人さんを引きずりながら迫ってきました。

チーは、本当は前の道を直進してオキニの公園に行くつもりのようで、でも今直進してしまったらこの子と鉢合わせになると思ったのか、左を選んだのですが、今度は大型犬を見れば漏れなく吠えかかる同族が小型犬ながらも迫力で付き人を引きずって向かってきていて挟まれるという事態に……。

チーは大型犬で黒いので吠えられる確率は高い。
それはこちらがいちいち指摘してやめてもらおうとも相手のしつけが悪いとも思うことはあまりありません。(だって怖いんですものね)

ただちょっと距離をおいてくれると助かりますが……。

さて、チーにとっては不測の事態、チラチラと上目使いで私を見ます。
2頭に挟まれつつもなにか思案しているようで、私の思案も探っているようです。
私は『後ろに下がる』のボディランゲッジを提案、チーもそれに同意してくれて、私たちは今来た道をUターンしました。
そして20mは離れたところでひと息つくようにチーは後ろを観て、それから私を見ました。
あの2頭は興奮覚めやらずでお互い吠えかかりながらの行き違いをしていました。

チーの目尻に自分の選択には間違いがなく、そして私の提案にも間違いはなかったねという安堵の自信が見えました。
その後、いつもの美味しいもので幸福感アップの出来事でした😊

提案の前に食べ物は使わないほうがうまくいくし、犬の真意が観えると思う。

犬がこちらを見たら食べ物、アイコンタクトをしたら食べ物が長い間犬とのコミュニケーションの極意のように語られていましたが、現在は目につかなくなってきました。
(眉間にトリーツ掲げていた時代が懐かしい😅)
“見て見て”うるさく言わなくとも人自身が犬にとって、安全で安心であればその意思や意図は伝わるのがわかってきたからでしょう。
チェシアがこちらをチラチラ見た時にチェシアはアイコンタクトをしたくて見てきたわけではなく、自分の幾つかある安全にこの場を切り抜ける方法の選択を付き人に委ねたものと、思われました。
そのひとつである後退を提案したのが私で、それを選択しそれに同意したのがチェシアです。

私たちの選択はうまくいった、ここらでお茶でも(ウマウマ)でもしようじゃないか、チェシアの心の内はそうであったのではと憶測ですがそう思っています。

犬は確かに食べ物が好きでそれを口に入れることに一生懸命にはなるでしょう。
人はそれを観て、犬の行動をうまくコントロールできたと思うのかもしれません。
食べ物を出せばそれは強力な強化子になり得ますが、その犬が本当にしたかったことさえ消してしまう恐れがあります。

犬が本当にしたかったことを観察できる眼をいつまでも養いたいなと思う、出来事でした。

では~。

*季節感がちょっとおかしいのはひと月ほど前の出来事なので、お許しくださいませ。

#犬との暮らし #犬とのコミュニケーション
#犬と散歩 #犬のしつけ #犬の言葉


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