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ようこそ 犬語の世界へ 自分の犬の犬語を信じよう。

緊急事態宣言が緩和された公園は秋の気配も深まり、家族連れや犬同伴での散歩を楽しむ人が戻ってきました。

COVID-19以前のマスクなしの暮らしが戻るにはまだまだ時間はかかりそうですが、とりあえず、この秋を犬と共に楽しみたいと思っています。

さて、始めましょうか、犬の話を、犬と共に暮らす誰かのところへ届くように...

しばらくぶりの公園でトイプーのMちゃんとMちゃんママに会いました。

本当にしばらくぶりでMちゃんはすっかり大人犬になっていてちょっと驚いたほどです。

立派に大人犬になってはいましたが......子犬の時に臆せずチェシアに寄ってきてくれたのに、この日のMちゃんは緊張で脚が止まり、眼は見開かれたまま、チェシアに吠えかかりリーシュいっぱいに後方へ逃げ惑います。

チェシアはMちゃんの様子からソーシャル半分で近寄るのを諦めて、私のところへ自発的に戻ってきました。

Mちゃんはハーネスだったのにいつの間にか高そうな首輪に換えられ、リーシュも120cmのものになっていて、その長さいっぱいに右往左往で吠えるのです。

「近頃、こんな調子になってしまって、どうしてかしら?」と、ママさん。

本当にMちゃんのこの変わりよう、数ヵ月で何があったのでしょう?
Mちゃんは子犬でも落ち着いていて、無作法に大人犬に飛びつき遊びたいという子犬でも怖くて震える子犬でもなく、適度の好奇心と慎重さのある子犬だったのに......。

Mちゃんママは話を続けました。
「最近は何度かドッグランに連れて行ってるんですよ、ノーリードで走らせたくて行っているのだけれど......」と、続けようとしたのですが、

「Mちゃん、もしかしてドッグランで追いかけ回され続けてない?」

「え、よくわかる!そう!逃げ回るだけで戻ってくるの。」

「あー、それが原因でこの吠えかかりが出ているかもです」

「少しでも犬同士で走らせたくてと、逆効果なの?」

「犬の遊びもその役割が入れ替わったり、途中で遊びだよの確認をしたり、走るのが好き追いかけるのが好きと、犬で違います。」

Mちゃんのママは真剣に私の話に耳をかけ向けだしました。

「一方的に何頭もの犬に追われ、走らされ、頼りになるはずのママさんは傍観ではMちゃんは怖いだけでしょうね」
ママさんの顔が曇ります。
あ、ちょっと不味いかなと思いつつ、Mちゃんが子犬の時に幾度かプロとしてアドバイスしていたのではっきり伝えてMちゃんを救わなければと思いました。

「だって、回りの人はこのぐらい大丈夫、すぐ慣れるっていってくれたんです......」

私は話している間、Mちゃんのママの許可をもらって、Mちゃんとチェシアにそれぞれ美味しいものを提供します。

Mちゃんはあんなに吠えて右往左往していたのに、チェシアのやや斜め後ろ、お互いのパーソナルで距離でモグモグしています。

すわっても立っていても、小首をかしげても、とにかく吠えずに逃げ惑わずに自分で落ち着いていられる距離をとっていれば美味しいものです。

「ママさん、Mちゃん、吠えてないじゃないですか?Mちゃんは本当に他の犬と追い駆けっこがしたいと思う?その犬たちも怖がるMちゃんを追いかけ回しているならジャイアンと同じ、意地悪なだけです。」

「私は何がなんでもトレーニングして犬をどうこうしたいと思うトレーナーではないのですが、犬の言葉、犬の身体に現れる感情はトレーニングよりも大事なのでそっちを信じてます」......。

Mちゃんママはちょっとハッとする表情を浮かべました。

自分の犬の話す犬語がすべて

犬を飼い出すと犬を通じての多くの知り合いや友だちができる。
犬が好きな人同士、話は尽きず、毎朝毎夕あって話すことは楽しみになる。
犬にも犬の友だちができ、ひとつのコミュニティとして拡張していく光景はよくみかけます。

犬を一頭飼って数年もすればもうベテランの域とみられて、新人さんへのアドバイザー的になる犬飼さんもいる。
もちろんその為?犬の本もよく読んでいる犬飼さんもいる。

その先輩犬飼さんが「うちの犬はフレンドリーだから何もしないから、大丈夫!」で、いわゆる公園デビューの子犬や初対面の犬に、自分の犬の意のままにグイグイ近づけさせる。

相手の犬(子犬含む)は腰が引け、リーシュいっぱいに逃げ惑う。

それでもその犬は自分の欲望のまま逃げ惑う犬を追い詰めていく。

ベテラン犬飼さんは「そのうち慣れるから大丈夫だから!」と、自分の犬の行動を止める気はさらさらないで放置。

次の日も嫌がる自分の犬を引きずってまでそこへ連れていく。
そして繰り返されるいつか慣れるから。
そのうち無尽蔵のおやつタイムが繰り返され、おやつを巡るケンカが勃発も良く見る光景。
ケンカを吹っ掛けた犬の飼い主が自分の犬をこっぴどく叱りつける。

そのケンカ騒動に幾頭の犬は怯えて逃げようとするも飼い主は動かない。

毎朝毎夕会っていくうちに人との会話が楽しくなり、そうして犬の小さな言葉は消されていく。

そこの場にとどまるうちに馴れるということはあるでしょう。

でも、まずは自分の犬に現れる犬の言葉を信じることをしてほしいのです。

怖いや嫌だや行きたくない......飼い主はそれを良くわかっていてもベテラン飼い主らしき人の言葉を信ずる。

いや、ちょっと待ってください......

そこで信じるのは自分の犬の犬語ですよ‼️

犬は他の環境ではあなたを信じているはずです。

拒否せず、抵抗もせず、あなたの要求することに答えようとしているはず。

他の人の関係が大事なのか、犬の信用を得るのが大事なのか?

人の言葉を話せない犬のためにすることは、今目にしている犬の言葉を信じることなのです。

そして自分の犬が安心と感じること、安全とわかることなんですよ。

では。

#ドッグトレーナー #犬のボディランゲッジ   #犬の気持ち


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