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ようこそ 犬語の世界へ 犬には犬の友だちが必要ですか?

季節は秋から冬へ、当たり前に移ろってゆきます。
私たちの愛する毛深い犬たちにはお散歩もってこいの季節で、グローネンダールのチェシアは歩き出すと2時間以上歩くこともありありこちらがヘトヘトになることも...
ちなみに親戚のイヌ科オオカミは動物園での暮らしに一番馴染めず常同行動が出やすい種であると説明を受けたことがあるのですが、チェシアのロングウォークにつき合っていると、毎日広大なテリトリーを徘徊する習性のオオカミが、動物園という環境で日々ストレスを感じながら生きていると思うと複雑です。

さて、始めましょう、犬の話を、犬と共に暮らす誰かのところへ届くように...

今、ちょこっと訪問している小型犬の飼主さんもたまに出会う犬飼🔰さんも犬の友だちを自分の犬にも作ってあげたいと思い悩んでいます。

犬同士が楽しそうに疾走する、くんずほぐれず追いかけっこする姿は犬好きな人間にとっては観ていて楽しく、自分の愛犬がその中にいればご馳走もんです。

ところがその愛犬が犬とみれば吠えつき噛みつこうとする...それを見た犬たちには避けられ、または同じように吠え返され、夢見ていた犬同士の遊ぶということからほど遠くなります。

それでもいつか仲良くなるのではないかと期待に胸を膨らませ、他の犬に馴らそうと、犬の集まる時間に日参してみたものの、吠えつく行動は激しさを増すばかりで一向に改善されない...

犬に犬の友だちを作ってあげたいのですが...どうすればいいのでしょうか?
(私はこの子が他の犬と疾走する姿をや他の犬と交流する姿を見たいのです、犬らしい姿を...)

子犬は社会化期に人間の子ども以上に人間社会の様々なことを学習しなければなりません。

ワクチン期間が終わらないと外への散歩を獣医師から止められることもしばしばですが、犬の行動的問題は十分な子犬の社会化期でその多くが予防できるのですが...

その時間をペットショップの展示ケースと購入後の一月近い屋内生活を過ごすうち、大切な社会化期はどんどん過ぎていき、外へ出す頃にはすっかり犬を怖がる犬になっていた...という過程がほとんどです。

以前、ノイヌの子犬を預かったときには同族間のことにはほぼ心配なし、あったのは人社会への社会化だけでした。
人社会のことは人間しか教えられませんよね。

犬社会のことは犬しか教えられないのです。 

子犬の社会化期に良い犬友と出会うことができなかった、その機会を作ることができなかったと、心やさしい飼い主さんの揺れる思いに共感できるのです。

さて、犬にもいろいろとタイプがあり、同族の友だちを作る方法も観察していると様々です。
耐えがたい恐怖を感じるほど同族へのストレスがある犬には、私は飼い主さんが最良の友になれれば、犬は幸福に暮らしていけると思っています。

家庭犬であればその家族に愛されて一生を過ごすのが一番ですから...

そして過剰なストレスに曝してまで同族の友だちを作る必要がないのは犬も人間も同じです。

それでも同族を怖がる犬の中には同族を求めているであろう犬に出会います。

そして自分の犬が同族を求めているであろう思うとき、それらを取り上げるのではなく、可能な限りその環境を必要とする犬にはその環境を人は与えてほしいと思っています。

ただうまく犬友を作る手助けは必要にはなるでしょう。
特に子犬の社会化期に同族との戯れの経験が無いに等しく、人の社会がすべてであった犬にとっては同族は未知の生き物です。

その生き物への好奇心が徐々に芽吹くことを手助けできる環境の提供が、恐怖心を薄めていきます。

犬が友だちを作るとき... 

その子はR君といい、17kgのピチピチの1歳半の子です。
最初はR君はチェシアが怖くて逃げ惑っていました。
それでも空気中のチェシアの浮遊臭を集めようとする行動に、R君の好奇心の欠片を見出だせるのです。

同じ公園で数度あって幾度か言葉を交わすうち、R君の飼い主さんは真摯でそれでいて犬の自由を程度をもって許し、公園でのオフリーシュを好ましく思わない人だとわかり、ああ...良かったなと思い、それから会話をするようになりました。

ただ、最初のお願いとしてR君の飼い主さんはチェシアを怖がるR君のリーシュを短く持ち換えるのでそれはやらない方がいいとだけ伝えておきました。

R君の飼い主さんがとても好ましいのはR君にあっちへ行こうという行動が現れたらここから離れるか、リーシュをR君の動きに合わせてシュシュ~と伸ばしてくれるところでした。
ハーネスご愛用も犬同士の友だち作りには重要なポイントです。

私は首輪にリーシュの犬との接触は極力避けます。
いくらリーシュスキルを頑張ろうが、首に刺激がかかること、ボディランゲッジが不自然になることはゼロにできないからです。

犬の友だちを作るときにその人の犬が好ましいと思っても、その人が公共の場でのべつまくなしオフリーシュにし、それを他人にも薦める人や注意を受けてもどこ吹く風の人とはいくら犬の気質がよくても、私は関わらないようにしていますし、自分の犬の友だちにはしたくないと思っています(遠回しに指摘してもゆうこと聞いてくれない人多々w)

なぜって、自分の犬を守るためです。
事故や事件に遭わないのは単に運がいいだけで、運に見放されれば悲惨な目に遭うのは犬ですから...(脱線ですが大事なこと)

さて、R君はチェシアは気になるがどうアプローチしていいかわからず、横っ跳びやヒャーーーーッとあとざすりや口唇を軽く曲げて唸りもします。

チェシアはこの若くて大袈裟なボディランゲッジで自分の意思を伝えてくるR君に、最初は自分から近寄ってみたものの、ドヒャーーと逃げ惑うR君の行動を見て一定の距離で詰めることはやめ、R君の飼い主さんにナデナデを要求します。

チェシアは自分で興味のある犬には近づこうとしますが、気にならない犬やタイプ的に苦手な犬は無反応です。

無反応の場合、向こうが激しく求めても私はチェシアの意思を尊重します。

もしかすると感じの悪い飼い主になっているだろうと思うのですが、良い犬の友だちを作るためにも自分の犬の意思尊重は優先になります。

私も観察していて、今だに良くわからないのが、同じように激しい要求行動でもチェシアがそれに応えたいと思う犬と全くもって嫌だと感じて近づかない、その違いがまだ良くわかりません...

犬の行動を観察することはそれで十分になることはけしてないものだと、今までのメンターの言葉を思い出します。

さて、チェシアの戦略はR君の飼い主さんにナデナデ要求...チェシアの体勢はR君飼い主の膝辺りで横向きの体勢になります。

ちょうどブロックしているような体勢でナデナデ要求...チェシアのお尻はR君飼い主の後方で隠れるR君の鼻先になります。

チェシアは自分は争うつもりは毛頭に無いという自信のある犬で、自分でお尻を差し出し匂いを嗅がせることができる犬です(それでも♂犬がマウントするのはこのみません)

同族に興味はあるけど、怖くてどうしていいかわからない犬にはうってつけのティーチングドッグです。

R君はソロリと首を伸ばして、チェシアの匂いを嗅ぎます...恐る恐るではありますが去勢してあっても、全くもって同族の嗅いが気にならないわけではありません。

R君はチェシアの顔が自分に向くとこれまたドヒャーーとなってしまいましたが、犬同士の関係で嗅いの確認はとても重要なことです。

相手の臭いを嗅げたこと、それも自分の意思で嗅げたことは大きな一歩。

トレーナーの中には嫌がる犬を抑えて臭いを嗅がせるトレーニング?をする人もいますが、人間に置き換えて考えるととても不自然なことを犬に強要していると私は思っています。

友だちになりなさいという、とても人間的な犬への支配行動です。

私たちが同族の他者を求めるのは自然なことです。
私も犬がいても同族の仲間とのつきあいやボランティア活動は生活を豊かにし潤いや精神的な成長の場にもなっています。

同族の友だちを求めるのはごく普通の要求ですよね。

ただ犬の場合は、最初が肝心、自分の犬のペースを大事にし、けして無理強いしない犬友作りの環境を提供してほしいと願っています。

R君はその後、メキメキとチェシアへの自信がつき、今は見かけると駆け寄ってくれるまでになってきています。

ソーシャルも縮まり、今はパーソナルに近づいてもいます。

くんずほぐれずのワンレスは無理かもしれませんが、いつか、そう遠くない日にパーソナルで散歩ができる犬友になってくれると思うのです。

*遅くなりましたが2021年もぼちぼち更新になると思いますがよろしくお願いいたします。

#犬の言葉 #犬のボディランゲッジ #犬の友だち #ドッグトレーナー
#犬の散歩

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