朝顔

2014/11/29 15:00
劇団B級遊撃隊「朝顔」
@愛知/姫池052スタジオ

オイスターズの芝居を見に行ったときに、初めて「佃典彦」さんという劇作家さんを知った。岸田國士戯曲賞を受賞している劇作家さんというのをそのあと知った。

そのあと、ずっとB級遊撃隊の芝居を観に行きたいとひそかに思っていたのだけど、今まで見たことがない&近畿圏以外の劇団&大阪公演しないの三拍子だから、情報がキャッチできなくて・・・。
そんな時、たまたま友達から新作公演の情報を知って、これはいかねば!と決断、近鉄で名古屋まで出かけて行った。

B級遊撃隊のアトリエは、住宅街の中にある建物の2F。なんとなくちょっと前に行ったKAIKAに似ていた。開演少し前に着いたので、後ろか一番前しか空いてなくて、ここは一番前をチョイス。久しぶりに桟敷に座る。
舞台は、とあるマンションの一室。真ん中に朝顔のツルが巻き付いている植木鉢があり、ダイニングテーブルとイスだけの部屋。女性の語りで始まる。
女性の語りとは別に、舞台ではそのマンションの一室でのやりとりが進められていく。仙台への長期出張から帰ってきたという夫は、家に帰ってみたら家がもぬけの殻で、ここがずっと空き部屋だったことを知る。
いるはずの妻も子供もいなくなっており、家も半年も前から空き部屋になっているという。ずっと流れている女性の語りも事件性を感じる内容で、何度も語られる"恐怖"というフレーズが強調される。さらに不動産屋が語る"事故物件"という言葉。

サスペンスのようなストーリーだから、一体誰が犯人なのか、誰が殺されたのか、何があったのかをいろいろ推理していくのだけど、思いがけない方向へ向っていくストーリーがじわじわ進んでいく。面白い映像の使い方と単調な語りと舞台のギャップがいい感じ。
全体的にゆるりとしたスピードで進み(そのせいか、実際の時間よりもちょっと長く感じたけど)、サスペンスにありがちな急展開つめこみ系の解決や、あからさまなあおりなんかもなくて、じわっと進んで、ぞわっと終わる。そういう感じが不条理っぽくて面白かった。

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