客席編「椅子に座る女/椅子を並べる男」
2014/12/15 20:00
缶の階 客席編「椅子に座る女/椅子を並べる男」
@大阪/ウイングフィールド
久野那美さんという劇作家さんの公演。公演ごとにスタッフや役者を集めて、公演が終われば解散。結成するたびに、名前をちょっとずつ変えて結成しているというちょっと面白いプロデュース。
10年以上前、私が制作の仕事を手伝い始めたころに、公演にかかわらせていただいたことがあって、久しぶりにお名前を見て、気になっていて、ついついTwitterでリプライしてしまったところ、なんと、久野さんが私の名前を憶えてて、気づいて、お誘いいただいたのだった。
メインスタッフでもないお手伝いの私をよく覚えていただいていたなぁと感心してしまったのだった。
さてさて、公演はといえば、2本立てになっていて、今回見たのはその1本。
とある舞台を見に来た女性と、客席を準備している男性の二人芝居。
ウイングフィールドの客席と地続きになっている舞台に、客席と全く同じ長箱が置かれていて、奥には緞帳らしき幕。開場中も、男性はその箱を並べたり、座布団を並べたりして、準備している。で、開演するころに女性が客席を通ってやってきて、舞台上の客席に座り(ややこしいw)、いざ開演!・・・と思いきや、開演せず、会話が始まる。
私自身も舞台にかかわっていて、こうやって見に行くのも好きで、という立場だからからか、なんだか、余計にじわじわと沁みるセリフが多かった。
それに、"お客様"と"舞台関係者(?)"との会話、という点で、いろいろ気づかされたことも多かった。
語られなかったセリフ、表現されなかった舞台は、存在するのか。
語ったセリフ、表現した舞台でも、観る人がいなければそれは存在するのか。
受け取る人の気持ち、表現する人の気持ち、いろんな気持ちが混ざり合って、それぞれの欲望(というか、願望というか)が”独りよがり”に見えてくる。
なんだかすごく不思議な芝居だった。
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