姐さん女房の裏切り

2014/11/02 14:00
千葉雅子×土田英生 舞台製作事業 「姐さん女房の裏切り」
@兵庫/AI・HALL

ヤクザな世界は千葉さんの好みらしい。
そういえば、始めてみた猫ホテも、そんな世界やったしな。
親分が殺されたときに、不倫していた姐さんと舎弟が逃げて、逃げ続けた20年後。
タイトルに「裏切り」とある通り、最後は姐さんが裏切るということを示しているのだけど、裏切ることを決意するまでの1時間を、リアルに1時間の芝居で見せる。
会話の巧妙さや、ふとしたおかしいやりとりは、さすが土田さんらしい本だけど、土田さんにはないヤクザな世界が、新鮮なかんじ。
20年も逃げ続ける、しかも、やめる見通しが全く見えない中、暮らし続ける恐怖ってどんなだろう。普通ならきっと発狂しそうだ。犯罪者なら時効があるけど、ヤクザに追われることに時効なんてないしなあ…それを逃げつづけられる舎弟もすごい。
姐さんはきっと舎弟に救われてた。ちょっとでも好きだという気持ち、後悔してないってことば、思い出の共有を引き出そう、引き出そうとすることがすごく切なかった。
先の見えない逃亡は、舎弟が殺されることでしか終われないよね。このまま一生続けるか、終わらせるか、それを決意するための1時間やった。うむ、土田さんの話は、やっぱおもろい。

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