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コーポレートガバナンスはなぜ重要なのか?

コーポレートガバナンスの重要性をよく耳にするようになりました。
それでは、なぜコーポレートガバナンスは重要なのでしょうか?
今回は、コーポレートガバナンスの重要性について解説したいと思います。


社会全体が市場変化のスピードについていけなくなっている

コーポレートガバナンスの重要性を理解するためには、まず、現在私たちが置かれている社会環境を理解しておく必要があります。
少し前になりますが、半導体不足が社会問題になりました。
また、流通業界における人手不足も、半導体不足同様に社会問題となっています。
二つの例をあげましたが、これらの社会問題に共通している根本要因として、社会全体が市場変化のスピードについていけなくなっていることがあげられます。

市場変化のスピードに対応するためには何が必要か?

市場変化のスピードは、お客様やユーザーの期待値で決まるもので、企業側でコントロールできるものではありません。
そのため、市場変化のスピードに対応するためには、企業側の活動スピードを上げるしかありません。
メーカーの場合、製品を世の中に送り出すまでに、企画→設計→生産→販売というプロセスをたどります。
そして、それぞれのプロセスには意思決定が存在するわけですが、市場変化のスピードに対応していくには、意思決定を迅速に行う必要があります。

意思決定スピードとガバナンスは相反関係にある

意思決定スピードとガバナンスは相反(トレードオフ)関係にあります。
意思決定スピードを早くすると、ガバナンスが不安定になり、逆にガバナンスを強化すればするほど、意思決定スピードは遅くなります。
例えば、“小学校で生徒の成績を公平につける”ことを想定します。
担任の先生がつけた成績を、校長先生一人が確認する場合、成績を最終化するスピードは早いですが、校長先生一人だけのチェックになります。
それに対して、担任の先生がつけた成績を、校長先生、教頭先生、学年主任の先生の三人が確認(ガバナンス強化)する場合、三人の先生のチェックが入るため、公平さという点では優れていますが、成績を最終化するスピードはチェック者が多い分遅くなってしまいます。

迅速な意思決定を実現するためには?

迅速な意思決定を実現するためには、不正や不祥事、重過失を起こさないことが重要です。
企業が一度でも不祥事を起こしてしまうと、企業価値が著しく損なわれます。
過去にも、不祥事が原因で倒産した企業や、上場廃止となってしまった企業もあります。
企業価値失墜というのは、それほどにまで影響が大きいです。
一度でも不祥事を起こしてしまった企業は、二度と同じ過ちを犯すことはできません。
そのため、一度不祥事を起こしてしまった企業は、二度と不祥事を起こさないようガバナンスを強化せざるをえません。
極度のガバナンス強化は、どうしても意思決定スピードを落としてしまいます。
そうなると、市場変化のスピードについていけなくなり、競争力を失ってしまうことになります。
また、極度のガバナンス強化は、思い切った意思決定の妨げにもなってしまい、企業の持続的な成長を止めてしまいます。
このように、不正や不祥事によって極度にガバナンスを強化しなくてはならない状況に陥ってしまうと、競争力維持や持続的成長が難しくなってしまいます。
不祥事や不正を起こさないためにも、コーポレートガバナンスの担保が、非常に重要なわけです。

まとめ

以上のように、市場変化のスピードが非常に早い現代において、迅速な意思決定が必要不可欠です。
意思決定スピードとガバナンスは相反関係にあるため、極度のガバナンス強化は意思決定スピードを落としてしまいます。
そういった状況を作り込まないためにも、不祥事や不正を起こさないよう、コーポレートガバナンスを担保することが非常に重要です。

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