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【勝手な詩】 いくつもの、ある日曜日

日曜日が目を閉じたとき、
砂漠の中に残された時計が笑う。
影の色はいつから虹だった?
雲の裏側に隠れた、
見えない月が手紙を書く。

幾重にも重なった日曜日、
君はその中の一つをポケットに忍ばせ、
海辺のカフェで無言の注文をする。
ガラスのスプーンでかき混ぜる未来は、
柔らかく溶ける青い水晶。

また、日曜日が終わるたびに、
靴のひもが解けて、
鳥の影が地面に漂う。
振り向けば、後ろに広がる日曜日の列。
どれも違う顔をしているのに、
みな同じ声で呼ぶ。

「あなたはここにいますか?」

私たちは答えずに、
その日曜日を空に浮かべた。
青い、青すぎる静けさの中で、
音のない鐘が鳴り響く。

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