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【勝手な詩】 何もそこまで

夜の砂浜に足跡を残して、
月が涙を流すように、
私たちは言葉を交わさずに、
ただその影を数えた。

何もそこまで言わないで、
静かな波が秘密をささやく。
星が一つ、また一つと消えてゆく間に、
風だけが真実を運んでいく。

ガラスの心が砕け散る音もなく、
海は全てを受け入れる母のよう。
君の声はどこまでも遠く、
沈黙は深く、青く、広がる。

何もそこまで求めないで、
時間だけが、この場所に残る。
潮の流れに任せ、
思い出すは幻のような笑顔だけ。

終わりなき話の中で、私たちは、
何もそこまで、
何もそこまで、
何も言わずに。

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