【勝手な詩】 沈黙の鍵、月の向こう
草原に散る言葉の花びら
燃える太陽が背を向けたとき
影が伸びる、その瞬間に
敗者は歌を忘れ、風を聞く
勝者の笑みは地に溶けて
氷の欠片が崩れるように
だが、敗者の足音は深く、
大地に刻まれる沈黙の詩
敗北は空っぽのカップか?
否、むしろ溢れる盃
黒い羽根の鳥が空を裂いて
敗者の胸に新しい夜を描く
勝ち負けの線引きは
砂漠の蜃気楼、揺れる境界線
敗者とは、始まりの名前
足跡が消えた場所に残る者
そして、そこに立つ者は知るだろう
月が夜空に現れる瞬間を
敗北こそが勝利の裏面、
見えない未来の門の鍵を。
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