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第28試合「覇権争い」

緊急事態宣言でイベントが軒並み中止となっている。
各団体はGWの興行の中止若しくは無観客興行の準備で忙しくなっている。
そんな中、明日4月29日に名古屋でNOAHは興行を行う。
幸い愛知は緊急事態宣言の範囲外だったので、無事興行が行われる。
その名古屋のメインはGHCヘビー級タイトル戦
王者・武藤敬司に相対するのは金剛のマサ北宮。
当初は武藤優勢の予想が多かったが、前回のタイトル戦以降北宮が鬼神の如く相手を倒して来た。その中に武藤も居た。

「マサ」と聞くと昭和からプロレスを観てきたファンならマサ斎藤が出て来るだろう。かく言う私もそうで有る。
並み居るレスラーに対し、Go For Brokeの真っ向勝負で挑み、アントニオ猪木との巌流島の戦いは今なお伝説となっている。

そんなマサ斎藤を尊敬する北宮は2018年にリングネームに「マサ」を入れる事にした。
その後タッグ戦では4度王座を獲ったが、シングルではまだ戴冠がない。
しかし、斎藤ばりの監獄固めから相手に頭突きを喰らわす「新・監獄固め」と言うべき技で一気に下馬評をひっくり返すと共にいつしか獄門鬼の異名まで踏襲してしまった。
タイトル戦の行方はどうなるか分からないが、試合を優勢に運ぶことができればば獄門鬼・マサ北宮の地位は一気に上がるだろう。

しかし、本当の闘いはその後に来る。それは金剛の覇権争いで有る。
現タッグ王者であり、シングル戦でも昨年11月に死闘を繰り広げた中嶋と今回の北宮のジ・アグレッション。
ここで北宮の地位が上がると言う事は他の選手に肉薄する事になる。
そう、金剛のメンバー、征矢学。そして金剛の大将・拳王だ。

征矢も以前、ナショナル王座の藤田和之とのシングル戦で善戦したが、その試合はノンタイトル戦で有る。
拳王も昨年はナショナル王者として君臨していたが、この前に藤田に負けて陥落したばかりだ。
元々次のヘビー級挑戦者として必ず名が上がる中嶋に加えて、上り調子でタイトル戦に挑む北宮。そして、この2人が反逆を起こしたとしたら・・・。

実は拳王にとって最悪のシナリオもある。
それは征矢がタイトル挑戦からの奪取である。
同日にナショナル王座戦、藤田和之vs杉浦貴もある。
この結果次第では征矢に挑戦権が舞い込む可能性がある。

現在、潮崎豪・拳王は不在。清宮海斗は前回タイトル挑戦している為発言権は弱い。M‘sや杉浦軍の選手はスポット参戦が多い為、挑戦出来る可能性は少ない。そうすると今タイトル挑戦出来る選手は征矢の他、中嶋勝彦・丸藤正道・稲村愛輝・岡田欣也辺りだろう。
今の征矢の立ち位置だと中嶋か丸藤が手を挙げたら分が悪い。
しかし、藤田が防衛した場合、リベンジと称して手を挙げることが出来る。
そして藤田の性格からすると二つ返事でOKが出る可能性がある。
そうなると、5月下旬もしくは6月にナショナル王座戦・藤田vs征矢が組まれるかもしれない。

運が悪く、拳王は今動けない。更にナショナル王座戦で征矢が勝ったとしたら・・・。
今まで金剛を引っ張ってきた拳王が一気に下まで落ちるのである。
北宮や征矢には硬い絆は有るだろうが、ジョーカー的存在として金剛に在籍している中嶋にしたらそんなものはない。
と言うか、今の中嶋だったらそんな絆なんぞすぐ捨てるだろう。
こうなったら一気に拳王vs中嶋の覇権争いが起きるかもしれない。
ファンの一部には中嶋が金剛に入った際、金剛を牛耳るのではないかとの憶測も飛び交っていた。
その下準備が出来てしまった。

明日の試合は試合後の動きにも注目で有る。
中嶋の反乱が起こるか?それでも金剛は一枚岩か?

(敬称略)

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