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第38試合「フィクション」

今日、TDCホールでGLEATの旗揚げ興行が有った。

令和の時代にUWFのエッセンスを持ち込もうとしたのだ。
試合としては見ごたえのある試合だった。
しかし、最後の締めで違和感を覚えた。

メインでSHOと戦い、善戦しながらもスタミナ差で力尽きた伊藤貴則が試合後に普通にマイクで話したのである。
旗揚げ戦と言うのもあり、全選手がメイン後にマットに集まった。
第1試合で戦ったエル・リンダマンが音頭を取って各選手が次々とマイクを持って観客に挨拶をしたが、伊藤も同じ感じで挨拶をしたのである。
正直、手を抜いて試合をしてたのかと思われても仕方ない挨拶だった。
幸い、私はDRAGONGATEを知っていたのでこのやり方は分かっていたから、何気なく見られた。
しかし、この興行を「リアル」で見ていた観客にはどう映ったのだろうか?

丁度、同時刻に東京女子の興行でUWFルールでの試合が行われた。
男女の差は有るのだろうが、勝者の山下美優は試合後のマイクで息絶え絶えながらに話をしていた。
普通ならば、試合した後はこうなる筈である。
同じルールでやっていたのに、何故ここまで差が出るのだろうか?

ここではどっちが良いとは言えない。
でも、私としては「これはフィクションです」と言われた様で違和感を覚えたのである。

最近、ツイッターではロックアップの件で論争が繰り広げられていた。
試合の序盤で行うロックアップの考え方でレスラーが個人の見解をツイートしていたのだ。
これも人それぞれであり、それを咎める事は出来ない。なんせ私はレスラーではないから、技術論なんぞ分からない。
しかし、このロックアップこそプロレスをリアルにする入口なのだろう。
そこをおざなりにしていると言う事で揉めたのである。

再三言うが、私はどっちが良いとは言えない。言えるのは私はこっちが良いと言う事だけである。
しかし、フィクションである事を団体側から言われるのは違和感が有るのだ。
まぁ、それを知った上で楽しむのがプロレスなんだろう。

今回は答えを出さずに終わりたいと思う。
この機会に皆様で考えて欲しい。

(敬称略)

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