見出し画像

第29試合「リスク」

緊急事態宣言が出て、GWが無観客試合となったNOAH5.2後楽園興行。
普通に試合が進んでいく中、衝撃が走った。
あのフルスロットルが電撃解散となったのだ。

事の顛末は、第5試合・スティンガーvsフルスロットルの6人タッグ戦で起こった。
試合中に吉岡世紀がYO-HEYに対してキックを打ち込み、そのままスティンガー入りを表明。
その後、大原の手を叩いたYO-HEYはリングに来たNOSAWA論外と組む事で合意。
一人残されて呆然の大原はじめに対し、声を掛けたのが元フルスロットルリーダーの小峠篤司だった。
これにより大原は桃の青春とタッグを組み、この後の興行に向かう事となった。

良くある造反劇かもしれないが、どうも腑に落ちない部分がある。
1:吉岡とYO-HEYは前の興行でスティンガーが持っているJrタッグタイトルに挑戦表明している。吉岡が言っていた「上を目指す」に関してフルスロットルは積極的で実際Jrシングルも取った吉岡が抜ける理由が見当たらない。
(ぺろんやムイビエンが本当に嫌いなら仕方ないが)
2:この2~3ヶ月、吉岡とスティンガーが接触した形跡がない。
(YO-HEYとNOSAWA論外に関しては造反が有ったのを受けてである可能性が高い)
3:YO-HEYが人間不信でフルスロットル離脱であれば、唐突に離脱した感じである。
(吉岡が造反してスティンガー入り→後日、大原が今後の方針を決めるがYO-HEYが納得しない→NOSAWAがYO-HEYに接触してフルスロットル離脱)

まとめると、この前2人でJrタッグ挑戦まで決めたユニットがあまりにも唐突に解散を決めるだろうか?
半月後に転職決めた人が熱心に営業したりするだろうか?
どうも、この解散は裏が有ると推測する。
この解散には今年になって連発した休場が関連しているのかもしれない。

なお、今回の文章はメタ発言があるので気を付けて読んで欲しい。
”今、目の前で起きた事が全て”と楽しむのがプロレスなので。

今年に入ってNOAHでは休場する選手が続出した。
1.23大阪は大原はじめがPCR検査陽性
2.12の武道館では井上雅央がPCR検査陽性・宮脇純太が急性虫垂炎
3.14福岡では小川良成が発熱で休場
3.21後楽園は鈴木鼓太郎が胆石症で欠場
4月は拳王のPCR検査陽性に伴いタダスケ・覇王・征矢学が欠場
この4ヶ月で5件の欠場が出ている。(潮崎豪の右肩手術を含めたら6件)
幸い長期の怪我ではなく、興行も残っていた選手が頑張って盛り上げてくれたので事なきを得ている。
特にYOーHEYとHAYATAは1日2試合をこなしてくれた。
しかし、急な試合変更でも選手には負担が掛かるのに、2試合をこなすのはかなり辛い事であろう。

今回の解散の裏理由は
「緊急の際に選手に負担を掛けない為」と「大原はじめをフリーにしたい」の2つがあると推測する。
まず、欠場による影響で負担が掛かるのはユニット所属の選手が少ないのである。
若手との試合なら相手が誰でも良いだろう。しかし、重要な前哨戦やフラグ付けの試合だったら全く違うユニットの選手と試合するのは遠回りとなる。
今、各ユニットは3名で構成している。
桃の青春:小峠篤司・原田大輔・宮脇純太
金剛:タダスケ・覇王・仁王
杉浦軍(論外ユニット):NOSAWA論外・鈴木鼓太郎・日高郁人
スティンガー:小川良成・HAYATA・進祐哉
フルスロットル:大原はじめ・吉岡世起・YO-HEY
無所属・フリー:矢野安崇・稲葉大樹・藤村加偉・熊野準(現在休場中)
これではユニット内で欠場が発生した際、6人タッグは出来なくなる。
Jrシングルとタッグを同ユニットで行うのが決まった後だったら、更に影響が大きい。下手したらタイトル戦延期・中止となる。
であれば、再編してユニット所属選手を増やして負担を減らそうと言う話である。つまり
桃の青春:小峠・原田・宮脇・大原
金剛:タダスケ・覇王・仁王
杉浦軍(論外ユニット):論外・鈴木・日高・YO-HEY
スティンガー:小川・HAYATA・進・吉岡
となると、有事の際に各ユニットで対応しやすくなる。
このご時世、次の興行が必ず行われるとは言えない。
試合延期は最悪、中止となりかねないのである。

じゃあ、別にフルスロットルが解散しなくても、他のユニットを解散させれば良いのではないか?
その答えは「大原はじめをフリーにしたい」と言う2つ目の理由である。
正直、これでも各ユニットに負担は掛かる可能性は高い。
それを減らす為には使える駒を増やすしかない。そう、宮脇と矢野の成長である。
大原を桃の青春に移動する事で堂々と宮脇と組ませる事が出来る。
また本隊陣と近い桃の青春であれば矢野ともタッグを組むのが容易になる。
HAYATAがスティンガー入りしてテクニックを付けたのは小川良成がいつも近くにいるからである。
だったら、宮脇や矢野の成長が急務なら、近くに大原が居た方が安心である。
またYO-HEYは論外や鈴木の元で更なる向上が出来、吉岡もテクニシャン揃いのスティンガーなら高技術を吸収できるだろう。
つまり「試合中止回避」と「選手の成長」を同時に行う事でリスクマネイジメントを図ろうと言うのである。

第1試合から全力全開で盛り上げてくれたフルスロットルが無くなるのは残念ではあるが、もう進んでしまった事案である以上、この後の興行を楽しむ事にしよう。
これはファンがやるべき義務なのかもしれない。
ファンが支えてあげる事で選手の負担も軽減するのである。
結果がどうであれ、私たちがやるべき道は決まっている。

実はまだ楽しみが残っている。金剛が現状のままならまだ3人なのである。
そう、この説が当たっていれば金剛に新メンバー加入の可能性があるのだ。
それが宮脇なのか矢野なのか?
それとも藤村・稲葉の正式参戦なのか?
全くの別の選手がサプライズ加入するのか?
今後の動向を見守りたい。

(敬称略)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?