29→30
29歳の誕生日。
20代があと1年で終わることにすごくネガティブな気持ちを持っていた。
老いることに良いことなんてひとつもない!若者時代の終わりだ!みたいな気がして、この先はどうすれば楽しく生きていけるんだろうかと、無駄に悩んでいた。
ただ、自分の性格として、人生の課題をそのままにして放置するのが苦手なので、29歳1年間でやることをリストにしてひとつずつ潰すことにした。
ここでは恥ずかしいので内容は割愛するが、人生初のことをたくさんやったし、考えた。
結果的に全てやることはできて、30代を少しはポジティブに考えられるようになったので、その感覚で、今までとこれからのことを考えてみようと思う。
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そもそも昔から、自分自身の嫌いな部分が多かった。たぶん苦手なことが多かったからだと思う。だけど筋金入りの負けず嫌いで、自分を好きになるための、他人になってもらうための努力は続けてきたつもりだった。
小さな頃から誰かに憧れたことはなかった。そんな自分を毎日の生活で納得させるのはとにかく面倒で、よく自己嫌悪したし、その頑固さが起因してたくさんの迷惑もかけたし、今もよくそうなってしまっている。
ところが、キャラクターを本格的に作り始めた25歳からは、そんな憧憬皆無な自分も、他人の才能を心の底から信じて尊敬することができるようになった。この人のようになりたいと他者に思い始めたのだった。
知らない世界を見せられて泣ける作品は別として、自分のこととして、当事者として、感動できる作品ができたのは、快挙だった。
それまで、薄っぺらくて性格の悪い態度で、世界の上澄みだけを掬って話して生きてきた、不感気味な自分には、不思議な感覚だった。
たぶん、自分を認めてくれたり守ってくれたりするありがたい存在が増えて、その温かさの中で、安全な尊敬や信用を、他人に持つことができるようになったのだと思う。
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自分自身が創作をすることに特別な感情はない。ただ漫然とみんなが好きなものと自分が好きなものの接点を探りながらつくっている気がする。
ただ、つくるときは見てくれた人の役に立ちたいし、世界の見え方が変わって明日が楽しくなるような瞬間をつくれたら嬉しいとは心の底から思っている。そしてそう思ってくれる人の数は多ければ多いほど良い。多くの人に届けたいというしっかりした確かな野望は何故か常に持っている。心にこれらでしか得られない変えがたい感情の広がりが確かにあるし、日々感じている。
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ものづくりをしながら生きていけることは当たり前じゃない。ましては好きなものをつくれて稼げることも。当たり前じゃないチケットをもらえている感覚はあるので、真面目にこれからも頑張りたい。世界中に自分の自分たちの素敵だと思うものをつくり届けたい。と、純粋に思います。
もっともっと、絵も描きたい、音楽もつくりたい、作品を広げるための努力もしたい。
30代前半、気張っていきます。