コント「まだ!?」

(勇者、剣を構えて立っている)

(市民、歩いてくる)

市民:あっ勇者だ。戦闘中かな?勇者も世界救うために頑張ってくれてんだなあ。がんばれー勇者ー!そんなスライムやっつけちゃえー!

勇者:あっありがとうございます!がんばります!

市民:爽やかで良さそうな勇者だなあ。世界も大丈夫そうだ。さて俺もひと勝負といーこうっと!(歩いていく)

(3時間後。市民、歩いてくる)

市民:ちくしょうスロット100連敗したー。こんな連敗あるんだな。あれ、勇者だ。同じとこいる。あれ、スライムもいる。
.....ずっと戦ってんの!!?ウソだよね!?そんな訳ないよね!?スライムだよ!?

勇者:ゼエ、ゼエ、ゼエ、ゼエ

市民:めっちゃ疲れてんじゃん!!おそらくスライムが生まれて初めて与えたであろう疲労じゃん!
いやさすがに別のスライムだよね!?このあたりウロウロしてレベル上げてんだよね!?

勇者:かならず、お前を倒して、レベル2になってやる...

市民:まだレベル2なってないの!?やっぱそれさっきのスライム!?

勇者:こんなところで...倒れる訳にはいかないんだ...

市民:うんホントにそうだよ!?初めての戦闘で倒れちゃ絶対ダメよ!

勇者:村で待ってくれているみんなのためにも!

市民:感動できない!!村出てすぐのスライム倒せない勇者にその感じ出されても感動できない!

勇者:帰ったら結婚しようと言ってくれたビアンカのためにも!

市民:ビアンカ別れたほうがいいよ!?この男見込みないよ!?

勇者:たとえこの身が朽ち果てようとも必ずお前を倒す!!

市民:朽ち果てちゃダメよ!?スライムにその覚悟で望んじゃダメよ!?帰って結婚するんでしょ!?

勇者:くらえスライム!てやあああああ!!

市民:余裕でかわされてんじゃん!!もうスライムもめんどくさくなって首傾けるだけでかわしてんじゃん!仙人じゃん!

勇者:ヤバイ、来る。うわあああああ!!

市民:そんな痛い!?スライムの攻撃俺でもイテッくらいだよ!?

勇者:負けない!!くらえスライム!てやあああああ!!

市民:声と結果が全然合ってない!!ラスボスにとどめ刺す時の声量でスライムにかわされてる!

勇者:ヤバイ、来る。うわあああああ!!

市民:リアクションの声量も全然合ってない!ウッ!でもちょっとオーバーよ!?

勇者:俺には...勝てないのか...?

市民:そんな気がするね!残念!なんか最初の村で取り残しとかなかった!?

勇者:村に伝わる伝説の剣を授かってきたのに!

市民:その剣そうなの!?じゃあただただアンタが才能ないのね!?無才能勇者!
ダメだこいつ!付き合ってらんねぇ!今回世界ヤベェな!(歩いていく)

(2日後。市民、歩いてくる)

市民:いやー臨時収入 入ったからなあ。こんな時はスロットだよなー。スロットスロットスロ.....
ウソだウソだウソだウソだウソだ。ヤバイなんか腰抜けた。しずかーに腰抜けた。立てない。寒気する。まだやってんじゃん!!!

勇者:ハア、ハア、ハア、ハア、

市民:あれから!?ずーっと!?この状態!?昨日スゲェ雨降ったぞ!!嵐来たぞ!

勇者:さ、寒い...

市民:そういえばビチョビチョじゃん!!拭け拭け!どうせスライム斬れないんだから拭け!

勇者:ね、眠い...

市民:不眠!?不眠不休でスライムと対峙してんの!?おいスライム寝てるけど!!今斬れ!今行ける!

勇者:くらえスライム!てやああああ!!!

市民:行く時大声出すから起きてかわされてんじゃん!!スライム起きて余裕でニヤッてしてからかわしてんじゃん!
くらえスライムがいらないんだよ!無言てやあぶちかませ!

勇者:ヤバイ、来る。うわああああ!!!

市民:声帯強いね!?声が色あせないね!?勇者より歌手が良かったんじゃない!?

勇者:骨折れたかも。

市民:ウソつけ!!いやそれともこのスライムが強いのか?天才スライム?ねぇスライムちゃんちょっと俺に攻撃して?

勇者:!やめとけ!

市民:オウッ!うん全然大丈夫。ノーマルスライム。大袈裟勇者。

勇者:ヤバイ、こっち向いた。来るな、来るな!うわああああ!!!

市民:そんな痛いならなんで倒れないの!?なんで2日も立ってられんの!?
雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ スライムニハ勝テズ丈夫な体持ってんなあ!!

勇者:ホイミ!

市民:それが理由か!!回復の呪文だけ使えるのか!ていうかどんだけMPあんだよ!レベル1のくせに!

勇者:絶対、倒してやる...

市民:俺もうスロット行くわ!バイバーイ!こりゃ世界滅ぶな。(歩いていく)

(1年後。市民、歩いてくる)

市民:世界、滅んだよ。なんか、開いちゃいけないゲートが開いちゃったみたい。
とんでもなく強いモンスターが大量になだれ込んできてる。
まあね、がんばってギリギリ間に合わなかったー!ってのはよくあるけど、勇者レベル35はないと対応できない展開だよね。
終わりでーす。全部終わり。勇者さん今のお気持ちは?

勇者:絶対、倒してやる...

市民:ブレないね~なんなの?ロボットなの?勇者型ロボットなの?あっそうそう、ビアンカちゃん他の男と結婚したよ。

勇者:えっ!?本当ですか!?

市民:これは反応すんだね。世界滅んだはガン無視だったのに。愛の力か。
ビアンカちゃん世界の終わりくらい死んだ彼氏のことは忘れて愛する人と居たいって適当に選んで結婚したの。

勇者:えっ俺死んだことになってるの!?

市民:そりゃそうなるよね。勇者意気揚々と旅立って1年後に世界滅んでんだから。
村から2キロのところでスライムと向き合って1年が経過してるとは誰も思わないよ。

勇者:そんな...ビアンカが...ちくしょう。お前のせいだ。お前のせいだああ!!くらえスライム!!

市民:当たった!!遂にスライム倒した!!1年越しの悲願!!怒りの力!!ひどい八つ当たり!!

勇者:くらえスライムくらえスライムくらえスライムくらえスライム

市民:ひっくり返ったスライム切り刻み続けるのやめろ!!かわいそうだろ!1年も遊んだ友達!

勇者:よーしレベル2になった。見てろ魔王!ぶち殺してやる!!うおおおおおお!!!(走っていく)

(ようやく来たか勇者よ)

市民:あれ、魔王の声だ。えっもう魔王のとこたどり着いたの!?ていうか魔王そんな近くに居たの!?

(だがこの世界はすでに私のも...いやまて、まだしゃべってる途中うおわああああ!!!おのれ勇者めええええ!!!)

市民:倒した!!!戦闘前のトークという隙をついて倒した!!レベル2で!スライム1年魔王10秒!
はあ...アイツ本当に勇者だったんだ...そうは見えない言動、そして、やるとなってから倒すまでの早さ。
さすが、村に伝わる伝説の勇者、ヨシヒコ様の末裔だ...

今日も最後までありゴトウ!

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