登山で使用してきた「マグカップ」のレビューまとめ
マグカップは他のギアと比べてたくさん買い替えをしています。
未だに理想を追い続けている状態ですが、これまでの試行錯誤を紹介したいと思います。
① Sea to Summit Xカップ (45g)
テント泊登山をはじめるきっかけとなった YouTuber の Adam Kraig が使用していたことから、私も同じものを購入しました。このマグカップは折りたたむことができるため、クッカーの中にコンパクトに収納できます。
しかし、シリコン素材をマグカップとして使用することに違和感がありました。飲み口は硬い素材で問題ないのですが、本体は柔らかいシリコン素材で、強く握ると形が変わってしまいます。
また、逆三角形の形状がアンバランスで、地面やテントフロアに置いたときに倒れないように注意が必要です。
飲み物を飲み終えた後、折りたたむ際に蛇腹部分に液体や汚れが溜まってしまい、衛生面で気になることがありました。
さらに、地面に置いて汚れたマグカップをクッカーの中に収納することに抵抗がありました。そのため、スタッキングできることの優先度を下げました。
② タイガー 夢重力ボトル (140g)
高規格なマグとして真空ボトルを試すことにしました。タイガーの夢重力ボトルは、真空ダブルウォールで保温性が高く、フタ付きの 300mL のボトルです。真空ボトルのなかでは最軽量の 140g です。
しかし 140g は Xカップ(45g) と比較すると重い部類です。そこで真空ボトルをマグだけでなく、トレイルミックスを入れるボトルと兼用することを考えました。日中は行動食としてトレイルミックスを入れるボトルとして活用します。以前までトレイルミックスを入れていたプラスチックボトルを不要にしました。
真空ボトルはショルダーストラップに取り付けておくことで、行動中に簡単に取り出せます。また、トレイルミックスを手を使わずに口に流し込んで補給できます。
キャンプ中は、空になったボトルをマグとして使用します。シリコン製のXカップと比較して保温性が高く、剛性があるので持ち心地も良いです。また、フタ付きなので、倒して中身がこぼれる心配がありません。
ただし、真空ボトルの扱いには注意が必要です。ショルダーストラップに取り付けたまま取り出す際に誤って落としてしまうと、衝撃で凹んでしまい、真空ボトルとしての機能が失われてしまいます。剛性があるように見えて瞬間的な衝撃には弱いようです。
③ Nalgene HDPEボトル 250mL (38g)
HDPEは高密度ポリエチレンの略で、オイルやアルコール用の容器として販売されています。
真空ボトルを壊してしまった後、私はこのHDPEボトルを使うことにしました。この素材であれば、たとえ落としても壊れることはありません。
ダブルウォール構造ではないためスリムです。ショルダーポケットに装備しても邪魔にならないサイズ感が魅力です。
キャンプ中は、HDPEボトルに自作のアストロフォイル製コジーをかぶせることで、ある程度保温できるボトルに変身させました。コジーは折りたたみ式で、普段はクッカーと一緒に収納しています。保温力は真空ボトルに比べ劣りますが、軽量性、シンプルさ、コスト面で優れています。
ただし、使用していくうちにHDPEボトルのスクリュータイプの飲み口が気になりました。トレイルミックスを口に流し込んで食べる分には問題ないのですが、温かい飲み物を飲む際にはギザギザ感が気になりました。
また、見た目にもこだわりたいと感じました。温かいコーヒーやハーブティーを飲む際、プラスチック容器は「ロマン」が足りないと感じました。
さらに、テント泊登山の2日目にトレイルミックスを再度マグボトルに入れる必要がありますが、濡れた状態のボトル内部がトレイルミックスに悪影響を与えました。チョコレートは溶け、ナッツは湿った食感になってしまいました。
思考の末、トレイルミックスを携行すること自体をやめることにしました。以前からトレイルミックスの味は食感には飽きてしまいました。あらためて、マグカップの本来の用途である温かい飲み物を楽しむことに専念するにしました。
④ Snow peak 雪峰H300 (76g)
金属製マグカップには、シングルウォールと真空ダブルウォールの2種類があります。雪峰H300はダブルウォールですが、内部が空気で真空ではないため、保温性は中途半端です。しかし、この中途半端さに魅力を感じ、このマグカップを選びました。
シングルウォールの場合、熱い飲み物を入れると表面が熱くなりすぎて持てません。一方、真空ダブルウォールは熱をほぼ完全に遮断するため、マグカップを持っても熱を感じません。雪峰H300は真空ではないダブルウォールのため、飲み物を保温しながらも、手に持つとじんわり温もりを感じられるバランスの良いマグカップだと考えました。
また、おしゃれなデザインも気に入りました。テント泊登山だけでなく、自宅でも普段使いできるデザインであるため、価格の高さは気になりませんでした。
しかし、フタができないため、マグカップとしての機能を最大限に発揮できませんでした。特にテント泊で快適に過ごすためには、夜に温かい飲み物が欠かせませんが、雪峰H300では飲み物がすぐに冷めてしまいます。そこで、保温性と保管性を追求することにしました。
⑤ サーモス スープジャー200mL (154g)
サーモスのスープジャーは真空ダブルウォールで保温性が優れ、フタ付きなので飲み残しもこぼれる心配がありません。スープジャーなので底面積が広くマグカップのように使うことが可能で、地面に置いても安定しています。
サーモスのスープジャーには様々な容量がありますが、300mL以上だとパーツが増えてしまいます。一方、200mLはフタと本体の2つのパーツだけで済むため、軽量性とシンプルさが魅力です。マグカップとしても200mLは十分な容量です。
しかしマグカップで重量 154 gというのが気になります。例えばテントを 1 kg → 800 g にするのに数万円をかける中で、登場シーンの少ないマグカップはもっと軽量化したほうが良いのかもしれないと考え始めています。
これからの試行錯誤も、随時こちらに追記していく予定です。
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