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ガンダム初心者がファーストを観た感想

こんにちは、1989年生まれのアニメ好き、ユウキです。

今回は名作と名高い、初代ガンダム(通称ファースト)を観た率直な感想を綴っていく記事になります。

どちらかといえば、まだガンダムを見たことのない人に向けて書いていくつもりです。

ガンダムファンの人が読んだら、「にわか」の意見と感じるかもしれません。笑

できれば、自分の子供が初めて自転車に乗れるようになったのを微笑ましく見守るような気持ちで読んでもらえたらと思います。

基本情報をおさらい

ファーストの正式名称は、『機動戦士ガンダム』。

1979年に放映されたアニメです。

40年前の作品なのに今だに人気があるとはすごいですね!

制作会社は、最近だと「コードギアス」とか「Tiger & Bunny」とかのヒット作で有名なサンライズです。

『機動戦士ガンダム』には、アニメ版と劇場版があり、それぞれ、アニメ版が43話 (15時間)と、劇場版が3部作(合計6時間)となっています。

僕が見たのは劇場版3部作の方です。

正確には、アニメ版を10話くらいまで見るまでは劇場版の存在自体を知らず、そこから劇場版にシフトして見直した形です。

まずは結論!

面白いです!!

ただし、40年前の作品ということもあり、最近のアニメに馴染んでいる人はいくつか注意が必要です(後述)。

どんな人におすすめ?

SF好き、ロボットアニメ好きの人は何の問題もなくハマるでしょう。

僕自身は、スターウォーズの大ファンで、特に初代3部作が好きなのですんなりハマりました。

注意点①ガンダム初心者にありがちな大きな誤解

まず、ガンダムはどんな話なのでしょうか

以前の僕のイメージは、「勧善懲悪のロボットアニメ」でした。

このようなイメージを持っている方は少なくないのではないでしょうか?

しかし、結論から言うと、これは大きな誤解です。

僕の感じたガンダムのメインテーマは、「自分の置かれた環境の中で、自分はどう生きるか」を問いかけるものだと思います。

「強いロボットが出て来て、悪をやっつけて爽快!」みたいな展開はほぼありません。笑

むしろ、「なんで自分がやらなきゃいけないのか? 」「自分がやっていることは本当に正しいのか」「何が正義なのか」など、難しいテーマの中で登場人物それぞれが葛藤し、時には間違いながらもがいていく、そんな話の展開です。

注意点②アムロが主人公だから善で、シャアが敵だから悪なんでしょ、という誤解

「アムロ」「シャア」この2人は有名ですよね。

ガンダムを観たことがなくても、一度は聞いたことがあるであろう名前です。

しかし、「アムロが主人公だから善で、シャアが敵だから悪なんでしょ」というのは大きな誤解というだけでなく、そういう先入観で観ると、話の展開に混乱するでしょう。

どういうことか。

次の項目で、ネタバレしない程度の予備知識を見ていきましょう。

知っておくべき予備知識①誰と誰が戦っているのか?

まず、物語には大きく分けて2つの立場が存在します。

それは、アムロの属する「地球連邦軍」と、シャアの属する「ジオン公国軍」です。

この2つのグループは対立して戦っています。

では、なぜ対立しているのでしょうか?

簡単に言うと、『植民地「ジオン公国」が独立したいけど、それを「地球連邦軍」が阻止したいから』です。

そう、ガンダムとは、「独立戦争」の話だったのです。

では、「地球連邦軍」と、「ジオン公国軍」はそれぞれどんな人たちなのでしょうか? 

次の項目で見ていきましょう。

知っておくべき予備知識②なぜ戦っているのか?

まずは、話の背景を簡潔におさえておきましょう。

地球に人が増えすぎて住むところがなくなった人類は、宇宙にいくつかの「コロニー」という人工的な居住空間を作るようになりました。

これで、人工過密の問題は解決されたのですが、時間が経つにつれ、今度は一部の「宇宙生まれ」の人たちが、「なんで俺らが、会ったこともない地球の人間のために搾取され続けなきゃならないんだ」という話になり、「俺らは俺らでやりますから。」と独立を宣言したのが「ジオン公国」。

これに対して、「は?何言ってんの?」ということで、阻止するのが、「地球連邦」になります。

なんだか、アメリカとイギリスの歴史に似てますね。


これだけ言うと、「え、じゃあ、アムロのいる地球連邦は「善」どころか「悪」じゃん!」と思ってしまうかもれませんが、それがそうでもないんです。

それはなぜか。

「地球連邦軍」も、「ジオン公国軍」も、どちらも1枚岩の組織ではないからです。

「地球連邦軍」にも、「ジオン公国軍」にも、自分の「正義」に生きる人もいれば、胸くそ悪くなるような悪人もいます。

また、「穏健派」もいれば、「過激派」もいるのです。

どちらも完全な「善」でもなければ、完全な「悪」でもない。

こんな2つのグループが、一部の悪人の巧みな情報工作や隠蔽工作などによって、戦争をする羽目になってしまうのです。


ここら辺の複雑さが、ガンダムの奥深さでもあり、また少し難解に感じてしまうところでもあります。

そこで、話を整理したいという方は、「ガンダム THE ORIGIN」という作品があるので、そちらをお勧めします。

知っておくべき予備知識③アムロとシャアって結局どんな人?

簡単に言うと、アムロは「いきなり戦争に巻き込まれた民間人」で、シャアは「起こってしまった戦争を逆に利用して、己の使命を達成しようとする王子」です。

じゃあ、「なんでただの民間人がロボット(ガンダム)に乗って戦ってるの?」というと、「最初は乗らざるを得なかったが、実はすごい才能があって、その後最適任者に選ばれてしまったから」です。

最初の搭乗が、自分の意思というよりも、「やらなきゃやられるから乗っただけ」というところがポイントです。

なんだかんだ言って最終的には自分の意思で乗ることになるのですが、結構長い間、どちらかと言うと嫌々乗る日々が続きます。笑

対して、シャアは、最初からロボット(正式名称、モビルスーツ)に対して積極的で、「これを使って自分の野望を叶えるぞ!」と意欲的です。

元々は、政治に利用され暗殺されてしまった父への復讐が動機だったのですが、物語が進むにつれて、この辺もかなり変わっていきます。

詳しくは本編をご覧ください。

注意点③昔のアニメだから古臭くてつまんないんじゃないか、という誤解

前述した通り、『機動戦士ガンダム』は1979年に放映されたアニメです。

40年前の話なので、画質やセリフの言い回し、演出については、確かに年代を感じさせるものがあるのは事実です。

しかし、「ルパン三世」「フランダースの犬」「銀河鉄道999」「アルプスの少女ハイジ」「宇宙戦艦ヤマト」「母を訪ねて三千里」など、70年代アニメには名作が多いのもまた事実。

これらに共通する要素としては、涙なしには観られない感動シーンを代表とする、「質の高いストーリー」です。

『機動戦士ガンダム』はこれらのアニメ全盛期に作られました。

なので、注目するべきは「ストーリー」であって、「アクションシーン」ではないのです。

「いやいや、そうは言っても、やっぱり派手なアクションシーンが観たいよ」という人は、「ファースト」ではなく、比較的新しいガンダムシリーズから入ってみるのもアリでしょう。

アクションシーンでは、僕はガンダムファンの友人から『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(1991)をお勧めされて観たのですが、めっちゃ面白かったです。

注意点④話の「理解」と「面白さ」は必ずしもイコールではない。

僕が「ファースト」を見ていて最初につまづいた大きな理由は、話を「理解」しようとして、そのための「説明」をひたすら待っていたことでしょう。

しかし、「ファースト」において、話を理解するための「説明」は極端に少ないのです。笑

ではなぜ、僕は「説明」をひたすら待っていたのかというと、僕自身が知らず知らずのうちに現代アニメの「ひな型」に囚われていたからに他なりません。

そして、「ガンダム」を現代アニメの「ひな型」に当てはめて理解しようとすると、大怪我します。笑

どういうことか?

一般的に、現代アニメでは最初の1話でいわゆる「設定」を丁寧に描写することで視聴者を世界観に引き込むことが定番となっています。

これは、アニメに限った話ではなく、ゲームでもだいたい最初に「チュートリアル」があって、小説とか物語でも「むかしむかし、あるところに...」というように「設定」の説明があります。

これに加え、最近では「キャラ立ち」というものがあり、初登場シーンの演出や喋り方などで、この人はこういうキャラ、というのが視聴者にインプットされるわけです。

これが、「ひな型」です。

わかりやすいものだと、アンパンマンとか水戸黄門とか、出てきた瞬間に「いい奴」か「悪い奴」かわかるようなものもあります。笑


しかし、ガンダムではそもそも「善」も「悪」も流動的なもの且つ、立場によって変わるものとして描かれている上、それぞれの所属組織にも「善」と「悪」が乱れているため、非常にわかりにくいのです。

この結果、ガンダムファンの間でも「あいつはこうこうしたからいい奴だ」と言う人もいれば、「いや、結果としてそれはこういうことに繋がったからいい奴じゃないだろう」みたいな感じで議論が沸き起こり、また、その議論自体が楽しみの一つだったりします。


「とりあえず、話の続きを見てれば、この人がどういう立場でこういうことしてんのか、後でわかるんだろうなぁ。」と期待して観ていると、その説明がないままそのキャラが死んでしまう、なんてこともしばしば。笑

そのため、時には置いてきぼり感を感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、「説明がなければないで、想像が膨らむ」というのもまた事実。

そのため、「ファースト」においては「説明を待つ」のではなく、「自分が納得のいく説明を、自分で想像して作り出す」という方法をおすすめします。


果たして、「ファースト」が説明不足なのか、あるいは、現代アニメが説明過多なのか、という議題はまたにするとして、「そうは言っても、このキャラがなんでこんなことをしたのか意味不明で、理由をちゃんと知りたい!」という方は、前述した「ガンダム THE ORIGIN」をおすすめします。

本当は、最初のガンダムに「ガンダム THE ORIGIN」を持ってきてもいいのですが、「自分が納得のいく説明を、自分で想像して作り出す」というプロセスに挑戦してみるためにも、やはり「ファースト」から入る方がいいかもしれません。


まとめ

ガンダムは面白い!!

だけど、知らず知らずに培ってきた、「アニメってこういうもんだよな」という常識にあまり囚われすぎない、自由な視点で観てみましょう!


ジーク・ジオン!!

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