【11/10発表】米CPIプレビュー
金融市場が大注目の10月の米消費者物価指数(CPI)が日本時間11/10(木)22:30に発表されます。先月までは21:30の発表でしたが、アメリカは今週、冬時間に入ったので1時間遅れます。
CPIそのものの前に、まず株価の反応をおさらいしましょう。
ご覧のように発表当日はNASDAQを中心に株価が大きく動く日が目立ちます。今回もCPIへの注目度は変わらず高く、内容次第で乱高下がありそうです。
では本題。まずTwitterにも流すプレビューです。
総合もコア(除く食品・エネルギー)も市場予想は少し鈍化です。
やや細かいですが、エコノミストが指摘する主な項目は次の通りです。
中古車は競売価格でピークから大きく下落しており、CPIでも前月比で下落(前年同月比で上昇寄与が鈍化)
医療保険が制度要因で前月比下落
家賃は新規契約で下落も、継続契約では下落に遅れ
ドル高で輸入物価に下押し
こういった点から、総合もコアも小幅鈍化が見込まれています。そうはいって、「小幅」です。予想通りの結果になったとしても、明確にピークアウトといえるほどの変化ではありません。「今年半ばがピークだった」との見方が強まるには市場予想をそれなりに下回る必要があるといえそうです。
そうはいっても、インフレ圧力が和らぐ構造的要因は増えています。
エネルギー価格や穀物価格は今年前半に比べ上昇一服
サプライチェーンの混乱に改善の兆し
賃金上昇は続いているが、7-9月は少し鈍化
株安で富裕層の消費意欲が鈍化
利上げで経済活動が鈍化
もちろん記録的なインフレとあって、経験則では読めない面も大いにあります。実際、この1年あまり「インフレはそろそろピーク」と言われ続けながら、逃げ水のようにピークはやってきませんでした。上記のように構造要因がそろってきても、これまでの急激なインフレが賃金や期待インフレとともにスパイラルのようにとまらなくなる恐れもあります。
仮に市場予想を上回ってしまえば、市場の落胆は大きなものになるでしょう。また株価が急落する恐れもあります。
FRBの利上げ見通しはこんな感じ。
次回のFOMCは12/14なので、それまでに10月PCE、11月雇用統計、11月CPIの発表があります。なので、今回の10月CPIだけで12月の利上げ幅が一気に決まるわけではありませんが、これを起点に今後のFRB幹部の発言がどうなっていくかが注目です。
11/10の当日は22:30にTwitterで速報したのち、noteで解説します。CPIの内容に加え、金融市場の反応やアメリカの物価のトレンド、金融政策の見通しもまとめますので、ぜひご覧ください。
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