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あすFOMC ポイントは?(2022/6/15)

日本時間あす6/16(木)未明に米金融政策を決めるFOMCの結果が発表されます。注目ポイントをまとめます。

上記の通りです。私は早起きして、速報&解説対応します。要点は2枚目のスライド。WSJなどの米メディア報道で0.75%の大幅利上げが予見されています。実際にそうなれば21世紀で初めての大幅利上げとなります。それだけインフレが急激に進んでいるということです。

注目はその後の利上げペースです。インフレ・景気見通しや株安への懸念度合いと含めて、今後の政策運営の姿勢次第で、金融市場は大きく動きそうです。

FRBのスタンスをみるうえではAM3:00公表の声明に加え、「SEP」という経済見通しも重要。物価や成長率見通しに加え、政策金利の基本シナリオも提示されます。さらにその後の記者会見でスタンスを探ることになります。

比較するために前回5月FOMC以降の簡単な流れを下記にまとめました。

市場の利上げ予想は下記2枚。6,7月とも0.75%の利上げを織り込み、その後も0.50%程度の利上げが予想されています。政策金利は年末に4%に近づく可能性が意識されています。

ただ、来年前半から半ばには利上げは打ち止めになるとみる投資家も増えています。インフレが収まり始めるか、もしくは景気後退で利上げを進められなくなるといったシナリオが意識されています。年後半には利下げに転じるという予想も増えつつあります。

あすの会見をみるうえでは「中立金利」という概念も重要です。簡単なイメージは下記の通り。

「中立金利」は5月のFOMCでも話題になり、あすの記者会見でも焦点の1つとなりそうです。

いまのアメリカの中立金利はだいたい2%台とみられています(正確には算出できません)。下のグラフの通り、今後の利上げで中立金利を上回る可能性が高まっています。景気にブレーキをかけるほどの利上げになるわけで、景気を犠牲にしてでもインフレを防がないといけないという構図になります。さはさりとて、インフレ退治のためなら景気をいくら壊してもいいというわけではありません。どこまで利上げを進めるかは難しい判断になります。

株価は下記の通り。S&P500は高値からの下落率が20%を超え、弱気相場入りしました。ナスダックは年明けから30%以上の下落となっています。FRBは株価のために金融政策を実施しているわけではありません。ただ、急激な株安が続けば、金融システムを不安定にさせたり、景気に逆風となったりします。株安への懸念・配慮を示してくるかも今回の焦点です。

FRBのジレンマをまとめると下記のようになります。FRBが今世紀に入って体験したことのない難しい状況です。今年後半、さらに来年とやっかいなジレンマの中で政策判断を重ねていくことになります。

あすの速報・解説体制は下記で実施します。FOMCでnoteを活用するのははじめて。ぜひご活用いただければと思います。

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後藤達也

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