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ECB 7月に利上げ 日銀は孤立

ECB(欧州中央銀行)が6/9、金融政策を決める理事会を開きました。大きなポイントは下記の通り。

資産購入の停止は予想通りでしたが、7/1から始めるというのは市場の見立てより早いスタートでした。焦点だった利上げについては次回7月会合の0.25%利上げを予告。実に11年ぶりの利上げとなります。

さらにラガルド総裁は「中期的なインフレ見通しが改善しなければ、9月会合ではより大きな幅の利上げが適切になる」とし、0.50%の利上げに踏み切る可能性も示しました。

市場では7月も9月も0.25%の利上げとの予想がやや優勢だったため、欧州の国債金利は上昇して反応、米国債金利にも上昇が波及しました。

ECBはインフレ見通しを引き上げ、22年は6.8%、23年でも3.5%と、目標の2%を大きく上回る物価上昇が続きます。景気やロシア情勢など不透明要因は山積ですが、利上げを進め、インフレを押さえつける必要性に迫られています。

米国もしかり、世界の主要国の大半は深刻なインフレに対応するため、金融緩和からの脱却に迫られています。ただ、日本だけは欧米ほどのインフレが起こっておらず、日銀の黒田総裁は6/6にも「強力な金融緩和を粘り強く続ける」考えを改めてしましました。

日本の孤立感を如実に示すのが下記グラフです。2年物国債利回り(今後2年の金融政策の予想を反映)が昨年末と直近でどれほど動いたかを示すものです。

ニュースでは米国の利上げがよく取り上げられますが、カナダも英国もユーロ圏も金融政策の見通しが大きくかわり、国債金利も大きく上昇しました。しかし、日本はほぼ不変。当面利上げが実施される可能性はほとんどないと市場がみていることになります。

この結果、日本の金利と欧米各国の金利は大きく開き、円を売って、より利回りの高い欧米通貨を買う動きが続いています。6/9はやや一服する場面もありましたが、基調として円安圧力がかかる状況は続くとの見方が市場では多くあります。

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後藤達也

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