ETF換金売り観測 大事な視点は
日経平均の上昇が一服しています。7/7も午前11:26時点では4日続落。チャートはこんな感じです。
米国株の上昇一服の影響がありますが、もう一つ、ETFの換金売りが需給要因として指摘されています。
きょうはETFの換金売りの仕組みについて簡単に説明するとともに、長い目ではどういう需給要因ととらえるべきかをお伝えします。
◆ まずETFの現状を確認
ETFはExchange Traded Fundsの略です。取引所(Exchange)で取引される(Traded)ファンドですね。「上場投資信託」ともいわれます。
一般的な投信は終値を基準に1日に1回、申し込んだり解約したりしますが、ETFは普通の株価のように日中ピコピコと値段が動いていて、取引できます。
日本だとTOPIXや日経平均に連動するものが大半です。
で、投信協会のまとめによると、日本のETFの残高はこんな感じ。
5月末で67兆円。
そして、スゴイ右肩上がりですね。株価が上がれば純資産もあがるわけですが、それにしても、2014年と比べると、7倍くらいに。日経平均はそんなに上がっていないはずなのに、なぜでしょうか?
答えは日銀の爆買いです。3月末時点で日銀がもつETFの時価は53兆円です。ETFの8割は日銀がもっているわけです。
◆ では分配金の話に
日銀や個人がETFを買うと、運用会社がそのお金をもとに、「日経平均」や「TOPIX」の構成に沿って、たくさんの日本株を買います。
運用会社にはトヨタやソニーから配当が定期的に送られてくることになります。ただ、個別の配当を一個一個、投資家に配っていると大変ですよね。
なので、個別の配当はすぐに投資家にわたさずに、とりあえず日本株の運用に回しておくというのが一般的です。そして、決算のときにそれまで得た配当を目安に束ねたお金を分配金として、投資家にわたす仕組みをとっています。
では、その分配金って、どれくらいの金額でしょうか。ここで月次のETFの分配金のグラフもみてみましょう。めちゃくちゃ特徴的なカタチになっています。
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